●紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書を参照ください。
●DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」†を使用することで実施可能です。(† 承認番号: 301ADBZX00045000)
薬剤性パーキンソニズム
主 訴 |
姿勢反射障害により歩行困難 |
現 病 歴 |
X-18年 : うつ病の診断にて三環系抗うつ薬を内服開始。
X-9年 : 転倒のため頭部を打撲し入院。この時、寡動と小刻み歩行が認められた。抗うつ薬の内服を止めたところ姿勢反射障害が増悪し歩行困難になった。 心臓交感神経シンチグラフィを行ったところ集積低下(H/M比 1.39)がみられた。 レボドパを開始した後、症状が安定した。
X年 : パーキンソン病(PD)としてレボドパを内服するも症状の進行がほとんどみられなかった。再評価目的でDaTSCANを施行した。
X年 : 心臓交感神経シンチグラフィは、H/M比は2.83であり、心筋に良好な集積が認められた。
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治療・経過 |
薬剤性パーキンソニズムと判断し、レボドパは中止となった。中止後3ヵ月の時点では症状の増悪は認められない。 |
SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。
両側ともカンマ状の形態で正常と判断された。
■まとめ
抗うつ薬を中止後、初回の心臓交感神経シンチグラフィで集積低下がみられた。レボドパで症状が安定したためPDを疑い、DaTSCANを行ったが正常集積であった。
レボドパを中止したが症状の増悪はなく、薬剤性パーキンソニズムと判断した。追加の心臓交感神経シンチグラフィでは正常であり、初回の心筋集積低下は抗うつ薬の影響と考えられた。DaTSCANにより薬剤性パーキンソニズムとPDの鑑別ができた症例である。