ダットスキャン静注 症例集

●紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書を参照ください。

●DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」†を使用することで実施可能です。(† 承認番号: 301ADBZX00045000)

多系統萎縮症(Multiple System Atrophy, MSA-C)

症例提供 : 香川県立中央病院神経内科 森本 展年先生

70歳台前半 女性

主  訴

ふらつき

現 病 歴

X年3月 : 歩行障害、ふらつきを自覚。
X年5月 : 症状増悪し近医受診。
X年6月 : 当院当科受診。

現  症

明らかな脳神経麻痺なし、構音障害なし、明らかな眼振なし、著明な体幹失調あり。
歩行は開脚歩行。つぎ足歩行は不可。
指鼻指試験 : 拙劣/拙劣(運動分解+)。 
明らかなパーキンソニズムなし。
起立性低血圧あり(臥位 : 159/93mmHg 脈拍68、立位 : 107/67mmHg 脈拍78)、排尿障害(頻尿)あり-残尿は50mL、睡眠時無呼吸あり(RDI 8.1)。

治療・経過

多系統萎縮症(MSA-C)と診断し、タルチレリンを服用し経過観察中。

MRI
T2WI
T2WI画像
T1WI
T1WI画像
T1WI
T2*WI画像
T1WI
T1WI画像

小脳・脳幹萎縮。橋十字サインがみられる。

心臓交感神経シンチグラフィ

Early画像におけるH/Mは2.31、Delayed画像におけるH/Mは2.93であり、Washout Rateは15.48%と、心筋への取り込み低下はみられなかった。

 

DaTSCAN
Original画像
Original 画像
SPECT-CT Fusion画像
SPECT-CT Fusion 画像

 

DaTView結果画像
DaTView 結果画像

SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。

 

視覚的には右優位に線条体での集積低下を認める。

まとめ

臨床的にパーキンソニズムを認めない MSA-C症例で線条体集積低下を認めた。小脳失調の鑑別においては臨床上有益な情報をもたらした。 DaTSCANによりその病態が良くわかった症例である。

 

 

 

 ダットスキャン®静注(DaTSCAN)の高齢者への投与 :
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。