ダットスキャン静注 健常成人画像集

◆ ダットスキャン®静注 健常成人画像集作成にあたり

「健常成人志願者を対象とした123I-イオフルパン-SPECTの健常成人データの収集に関する多施設共同研究(以下、本研究)」において、256例/510スキャン分の123I-イ オフルパン-SPECTの健常成人データが収集された。本研究により、定量的指標であるSpecific Binding Ratio(以下、SBR)をファントム較正する事で、全施設のSBRを一元的に扱うことが可能となった。その結果、SBRの年齢や性差による差異、正常値及 びその範囲が設定された1)

 一方、123I-イオフルパン-SPECT画像の線条体集積を視覚的に評価する方法も重要である。線条体集積について、ガイドライン2)には、「加齢に伴い一定の割合で低下す るため、読影に際し患者の年齢を考慮する必要がある」と記載されている。しかし、被験者の年齢毎の画像の違いに関する報告はほとんどなく、またSPECT機種・コリメー タによっても画像が異なることから、正常・異常の判断に難渋するケースも少なくなかったと思われる。

 そこで本WEBページでは、本研究の成果に基づき、国内で汎用されている主なSPECT機種・コリメータで収集した健常成人画像を年代、男女別に開示することとした。加えて、画像再構成条件(散乱線補正、減弱補正の有無)を変えた場合の健常成人画像も掲載した。これにより、123I-イオフルパン-SPECT画像の読影にさらに習熟して頂くとともに、読影に慣れていない先生方にとっても参考資料として是非ご活用頂きたい。

 なお、本画像集の発刊に際して、下記8施設の先生方には多大なるご協力を頂いた。この場を借りて御礼申し上げたい。

[本研究参加施設]
神戸大学、 国立精神・神経医療研究センター、 昭和大学、 千葉大学、 東北大学、中村記念病院、 日本医科大学、 藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)(50音順)

 

2018年4月
監修 : 松田 博史
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
脳病態統合イメージングセンター
(現 公立大学法人福島県立医科大学
生体機能イメージング講座)

1)Matsuda H et al. Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2018 Feb 24. doi: 10.1007/s00259-018-3976-5.
(本研究は日本メジフィジックス株式会社(以下、NMP)から研究費の支援を受けて実施され、本研究の参加施設におけるファントム実験はNMPが実施しました。また著者の一部は、NMPから研究費、講演謝礼を受領しました。)
2)イオフルパン診療ガイドライン第2版、2017年5月 日本核医学会