
ダットスキャン®静注 症例集2の作成にあたり
ドパミントランスポーターイメージング用SPECT製剤「ダットスキャン®静注(以下、DaTSCAN)」は既存のX線CT、MRI、脳血流シンチグラフィ(以下、脳血流SPECT)、心臓交感神経シンチグラフィ※等とは全く異なる病態情報が得られ、DaTSCANの導入によりパーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診療体系※※が大きく変化したように思われる。
しかし、DaTSCANを診療に用いる際に画像読影や解釈に難渋されている臨床家が少なくないとの声もあり『ダットスキャン®静注 症例集(初版)』を発刊した。その結果、予想以上に多くの反響を頂くとともに、更なる診療・読影スキル向上のために追加の症例集作成を求める要望が挙がっていた。
そこでこの度、新たに9施設の先生方にご協力を頂き、『ダットスキャン®静注 症例集2(以下、本書)』を発刊することとなった。本書では初版で紹介できなかった臨床的シナリオの症例を加えるとともに、レビー小体型認知症の症例も追加し、精神・神経変性疾患の診療においてDaTSCANの実施意義を明確化した形で、その臨床的意義についてまとめたものである。
本書が初版と同様、神経内科、精神科、脳神経外科、放射線科をはじめとする先生方にとって、日常の診療や読影でお困りの点を少しでも解消することに役立ち、患者さんやそのご家族にとって、より良い治療を受ける契機となることを心から願っている。
監修 : 石井賢二先生
東京都健康長寿医療センター研究所 神経画像研究チーム
- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等についてはダットスキャン静注の製品情報 ご参照ください。 - ● DaTViewおよび3D-SSPによる画像解析は、核医学画像解析ソフトウェア「medi+FALCON」を使用することで実施可能です。
- ● DaTSCANの定量的指標であるSBR(Specific Binding Ratio)は使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって異なりますので、その解釈には十分ご注意ください。
※効能効果外
※※DaTSCANは2015年のMovement Disorder Societyのパーキンソン病臨床診断基準1)において、その正常所見が絶対的除外基準となっている。また2017年版のレビー小体型認知症の臨床診断基準2)において指標的バイオマーカーとして位置づけられている。
国立病院機構宮城病院 脳神経内科 久永 欣哉先生 |
国立病院機構宇多野病院 脳神経内科 大江田 知子先生、上原 尚子先生* 放射線科 上田 道夫先生** |
国立精神・神経医療研究センター 神経内科 向井 洋平先生、村田 美穂先生 |
釧路赤十字病院 精神科 百町 健吾先生*、姫野 大作先生**、早坂 郁先生*** |
越谷市立病院 神経内科 河村 美巴先生、中村 真一郎先生 |
社会医療法人峯和会 鈴鹿回生病院(現三重大学) 神経内科 松浦 慶太先生 |
医療法人 鳴子会 菜の花診療所 北村 ゆり先生 画像提供:高知赤十字病院 |
順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター PET/CT認知症研究センター 井関 栄三先生 |
*「各施設のDaTSCAN収集・再構成条件一覧表」をご希望の方は資料をご請求ください。
*本資料には心臓交感神経シンチグラフィ効能効果外の内容を含みます。