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小児、授乳婦
Q.小児投与量の算出式について情報はありますか?
F141421
A.

日本核医学会 小児核医学検査適正施行検討委員会の「小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドラインver2(2019)」1)では、以下の算出式が紹介されています。

(許可を得て掲載)

 

 [体重による算出法]
 投与量〔MBq〕 = 別表1の基本量 × 別表2の当該クラスの体重別係数

 

ただし、計算により最小量以下となった場合は最小量を投与する。
また、各施設で定めた成人投与量を超えた場合は成人投与量とする。

 

[別表1]

[別表2]

放射性医薬品のクラス分類と基本量・最小量 各クラスの体重別係数
核種 放射性医薬品 クラス 本委員会*推奨値
基本量
(MBq)
最小量
(MBq)
I-123 NaI C 0.6 3
IMP B 13.0 40
MIBG(腫瘍) B 28.0 40
MIBG(心筋) B 7.9 16
イオマゼニル B 13.0 40
BMIPP B 7.9 16
F-18 FDG(体幹) B 18.0 26
FDG(脳) B

14.0

14
Ga-67 クエン酸 B 8.0 24
Tc-99m アルブミン(心プール) B 56.0 80
スズコロイド(肝脾) B 5.6 15
スズコロイド(骨髄) B 21.0 20
フィチン酸(肝脾) B 5.6 15
スズコロイド/DTPA
(胃食道逆流、胃排出)
B 2.8 10
MDP/HMDP B 35.0 40
DMSA A 25.6 15
DTPA A 34.0 20
MAG3 A 34.0 20
ECD[1] B 51.8 150
HMPAO B 51.8 100
PMT[2] B 10.5 20
MAA[3.4] B 13.2 25
過テクネチウム酸
(甲状腺)
B 5.6 10
過テクネチウム酸
(胃粘膜)
B 10.5 20
RBC B 56.0 80
MIBI/テトロホスミン(腫瘍) B 63.0 80
MIBI/テトロホスミン
(安静/負荷心筋2日法・最大[5])
B 63.0 80
MIBI/テトロホスミン
(負荷心筋1日法・1回目[6])
B 28.0 80
MIBI/テトロホスミン
(負荷心筋1日法・2回目[6])
B 84.0 160
GSA B 13.2 26
Tl-201 塩化タリウム(腫瘍) B 5.3 11
In-111 塩化インジウム B 5.3 11
 
体重
(kg
クラス
A B C
3 1.00 1.00 1.00
4 1.12 1.14 1.33
6 1.47 1.71 2.00
8 1.71 2.14 3.00
10 1.94 2.71 3.67
12 2.18 3.14 4.67
14 2.35 3.57 5.67
16 2.53 4.00 6.33
18 2.71 4.43 7.33
20 2.88 4.86 8.33
22 3.06 5.29 9.33
24 3.18 5.71 10.00
26 3.35 6.14 11.00
28 3.47 6.43 12.00
30 3.65 6.86 13.00
32 3.77 7.29 14.00
34 3.88 7.72 15.00
36 4.00 8.00 16.00
38 4.18 8.43 17.00
40 4.29 8.86 18.00
42 4.41 9.14 19.00
44 4.53 9.57 20.00
46 4.65 10.00 21.00

                                              * : 小児核医学検査適正施行検討委員会

 

[1] : ECDはシリンジなどに準備量の5~7%が残存するため、残存量を想定した投与量を準備する必要がある。

[2] : 胆道閉鎖症診断目的で24時間像を撮像する場合は40MBq使用を提案する。検査開始時に20MBq、6時間後 撮像にて24時間後撮像を決定した段階で20MBq追加投与の分割投与でもよい。

[3] : 肺血流左右比算出を目的とし局所肺血流分布評価をしない場合は、最少量13.2MBqを推奨する。

[4] : MAAはシリンジなどに準備量の20~60%が残存するため、残存量を想定した投与量を準備する必要がある。

[5] : 体重の重い患児では従来投与量より多い傾向になるので、この量を最大限として、より少量の投与を考慮する。

[6] : 安静先行、負荷先行のいずれにも適用。2回目量は1回目の2~3倍。

 

小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドラインver2(2019)に基づいた小児核医学検査 適正投与量 早見表

 

また、「小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン」が公開される以前の方法として、「核医学イメージングのための小児への放射性医薬品投与量に関する勧告」(1988)2)では、以下の算出式が紹介されています。

 

 [年齢による算出式]
 小児投与量=成人投与量×(Y+1)/(Y+7)      Y:年齢

【参考文献】
1) 日本核医学会 小児核医学検査適正施行検討委員会 : 小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドラインver2 第一部 小児核医学検査の適正投与量, 2019
2) 公益社団法人日本アイソトープ協会 医学・薬学部会 核医学イメージング規格化専門委員会 : RADIOISOTOPES 37:627-632, 1988
mfaq300
Q.診断用放射性医薬品を投与された患者が小児との接触を避ける時間の目安について情報はありますか?
F250031
A.

検査当日は抱っこ、添い寝、入浴等の接触する育児を避けさせるべき1)、検査後1日は直接的な接触を避けさせた方が良い2)としている報告があります。

【参考文献】
1) 利波 紀久 他 : アイソトープ診療ハンドブック p.152-153, 2006
2) 草間 朋子 : 放射線防護マニュアル第2版 p.62-65, 2004
mfaq301
Q.授乳中の女性への投与について「原則として投与しないことが望ましいが、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」とされている診断用放射性医薬品について、投与すると判断した場合の投与後の授乳停止期間について情報はありますか?
F141411
A.

添付文書には「授乳中の婦人には、原則として投与しないことが望ましいが、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること」との記載以外に、以下のように記載している製剤があります。

放射性医薬品名

添付文書の記載内容 (添付文書より一部抜粋)

FDGスキャン注1)

【原則禁忌】(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物試験において胎児移行性が報告されている。]

【使用上の注意】5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与(一部抜粋)
授乳婦に投与した場合、24時間授乳を中止し投与後12時間は乳幼児との密接な接触を避けるよう指導すること。

クエン酸ガリウム(67Ga)注NMP2)

【使用上の注意】4.妊婦、産婦、授乳婦等への投与(一部抜粋)
クエン酸ガリウム(67Ga)は授乳している乳房に蓄積するため、授乳する場合は投与後2~3週間の期間をとった方が望ましい。

ベンゾダイン注3)

【使用上の注意】6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与(一部抜粋)
動物実験(ラット)で乳汁移行性が認められているので、授乳中の婦人には授乳を避けさせること。

テクネシンチ注-10M/
テクネシンチ注-20M4)
メジテック5)

【使用上の注意】4.妊婦、産婦、授乳婦等への投与(一部抜粋)
授乳中の婦人は投与後少なくとも3日間は授乳しない方が良いとの報告がある。

 

 

(参考1)
国際放射線防護委員会(ICRP)Publication 1286)では、放射性医薬品を投与された授乳中の母親に対し、母乳による乳児の被曝線量が1mSv以下になるまで授乳を停止すべきとし、以下の授乳停止期間を勧告しています。

授乳停止期間

放射性医薬品

3週間以上※1

67Ga、131I-NaI、131I-MIBG

3週間以上※1,2

123I-BMIPP、123I-MIBG、123I-NaI

48時間

201Tl

12時間

99mTc-MAA、99mTcO499mTc-赤血球(in vivo標識)

不要※3

99mTc-リン酸塩、99mTc-HMPAO、99mTc-ECD、 99mTc-MIBI、

99mTc-tetrofosmin、99mTc-PYP、99mTc-赤血球(in vitro標識)、99mTc-MAG、99mTc-DMSA、 99mTc-DTPA、テクネガス(99mTcO4)

不要

18F-FDG、81mKrガス

 

※1 : 少なくとも3週間は停止しなければなりませんが、3週間以上の授乳停止は授乳状態を維持すること自体が困難となります。→中止

※2 : 123I以外のヨード放射性同位体の混入の影響を考慮して3週間以上としています

※3 : 停止不要とする99mTc製剤は、フリーの99mTcが全くない場合を想定しています。より安全性を考慮するなら、4時間の授乳停止(授乳1回分の停止)が勧められています。

 

 

(参考2)

*: 123I製剤に関して、発売当初の製造方法では124Iや125I等の半減期の長い放射性同位体が含まれていましたが、現在はこのような不純物はほぼ生成されない製造方法となっています7)。また、国内の書籍では、123I製剤は化学的挙動が131Iと同一であるが、半減期が短くγ線エネルギーが低いことから、授乳を控える期間は1~2日で十分という報告8)があります。

 

 

【参考文献】
1) FDGスキャン注 添付文書(改訂7版), 2018
2) クエン酸ガリウム(67Ga)注NMP 添付文書(改訂9版), 2016
3) ベンゾダイン注 添付文書(改訂5版), 2014
4) テクネシンチ注-10M テクネシンチ注-20M 添付文書(改訂5版), 2014
5) メジテック 添付文書(改訂5版), 2016
6) Valentin J : ICRP publication 128 p. 319-321, 2015
7) 中本 俊輔 : 放射線 15:75-86, 1989
8) 利波 紀久 他 : アイソトープ診療ハンドブック p.156-157, 2006
mfaq302