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放射性医薬品全般
Q.同一患者に複数のRI検査を行う場合の検査順位の考え方、検査間隔(投与間隔)について情報はありますか?
F010001
A.

検査順位を考える際の原則として、以下を優先する項目として挙げている書籍1)があります。

 

・ 得られる臨床情報が重要な検査
・ 有効半減期の短い放射性医薬品
・ γ線エネルギーの低い放射性核種
・ 投与量の少ない放射性医薬品
・ 一方の放射性医薬品の体内分布が、他方の検査に影響をおよぼす可能性が低い検査

 

投与間隔の目安を表に示します1,2)

d:日(1d=24時間) h:時間 m:分 s:秒 空欄:同日可能

投与間隔目安表

※1 : 99mTc標識薬剤投与後に99mTcO4-を投与する場合、99mTc標識薬剤に含まれるスズイオン(Sn2+)により体内で99mTc標識赤血球が形成され、血液プール像となる可能性があるため、2週間以上間隔をあける3)とされています。
99mTc-DMSAについては、閉塞性尿路障害がなければ99mTc-MAG または99mTc-DTPA検査に続いて検査することができる4)とされています。

※2 : 111In-DTPA投与後の場合は7日空ければ次の検査が可能2)とされています。

※3 : 201Tl検査後の123I製剤、99mTc製剤による検査は定性評価であれば同日に検査可能1)とされています。

【参考文献】
1) 久田 欣一 他 : 核医学イメージングハンドブック p.16-17, 2000
2) 久田 欣一 他 : 核医学イメージングハンドブック p.26-27, 1986
3) 久田 欣一 他 : 核医学イメージングハンドブック p.132-133, 2000
4) 久田 欣一 他 : 核医学イメージングハンドブック p.180, 2000
mfaq290
Q.血管外漏出(注射漏れ)時の対処法について情報はありますか?
F160022
A.

日本核医学会・放射性医薬品等適正使用評価委員会「放射性医薬品の適正使用におけるガイドラインの作成」1)の「放射性医薬品の血管外漏出について」「2)血管外漏出が起こったら」には以下のように記載されています。

放射性薬剤の血管外漏出に伴う皮膚障害についてのこれまでの報告は、201Tl、 67Ga、 131I の三核種についてなされている。現在使用頻度の高い 99mTc、 123I についての報告はない。
仮に、大量の放射性薬剤(特に 201Tl、 67Ga、 131I 製剤)の血管外漏出が起こった場合には、 

 ①血管外漏出に気づいたら、すぐに注射を中断し、漏洩部位にマーキングを行う。

 ②直後に漏洩部を含めた撮像を行い、漏洩放射能量を推定する。

 ③必要に応じ、経時的に局所残留放射能を測定し、クリアランスを求める。

さらに、

 ④拡散・吸収を促す。

こととなるが、定まった手法は確立していないのが現状である。文献的には、局所の加温(ちなみに CT用造影剤の血管外漏出の際には、冷やすことが推奨されている)、マッサージ、ステロイド剤やヒアルロニダーゼの局所投与(異論あり)などが言われているが、いずれも効果が確立されたものではない。

【参考文献】
1) 日本核医学会・放射性医薬品等適正使用評価委員会 : 厚生労働省平成13、14年度 委託研究関係学会医薬品等適正使用推進試行的事業実施要綱「放射性医薬品の適正使用におけるガイドラインの作成」 p.25-27, 2004
mfaq291
Q.骨密度測定への影響について文献報告はありますか?
F021203
A.

DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)を用いて骨密度を測定したところ、放射性医薬品投与後に有意な低下を認めたとの報告1-3)と、有意な影響は認められなかったとの報告4,5)があります。

【参考文献】
1) McKiernan FE 他 : J Clin Densitom 9:164-166, 2006
2) Rosenthall L 他 : Clin Nucl Med 17:195-197, 1992
3) 小橋 肇子 他 : 日本骨形態計測学会雑誌 8:77-81, 1998
4) Cambell A 他 : J Clin Densitom 8:14-17, 2005
5) 伊藤 康二 他 : 核医学 35:34-35, 1998
mfaq292
Q.核医学検査の正常値(基準値)について情報はありますか?
F150053
A.

以下の報告があります。正常値(基準値)の目安としてご参照ください。
より正確に検査を行うためには、施設ごとに一定の条件下で正常値(基準値)を設定してください。

検査

製剤

種類

正常値・基準値

脳血流

123 I-IMP

マイクロスフェア法(Kuhl)

47.2±5.4mL/100g/min (平均年齢 44.6±16.9歳) 1)

ARG法

大脳皮質 33.0±5.1mL/100g/min (平均年齢 男性60.5±10.8歳、女性59.8±11.5歳) 2)

大脳皮質 39.5mL/100mL/min (平均年齢 29.8±6.0歳) 3),

DT-ARG法(QSPECT)

-

大脳皮質 37.4mL/100g/min (平均年齢 61±9歳) 4)

多施設共同研究

大脳半球35.7±5.8mL/min/100g (平均年齢 61.7±3.8歳) 5)

Graph-plot法 

大脳皮質46.0±3.6mL/100mL/min (平均年齢 63.5±8.9歳) 6),

99m Tc-HMPAO

Patlak法

全脳49.3±10mL/100g/min (平均年齢 40.9歳) 7)

ドパミントランスポーター

123 I-FP-CIT

特異的結合比(SBR)

DaTView

Calibrated SBR8)

(上段 : 健常者平均値,下段 : 95%予測区間 正常下限値)

 

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳代

男性

9.01

8.53

8.05

7.57

7.09

6.61

6.36

5.89

5.41

4.93

4.44

3.95

女性

10.11

9.35

8.58

7.82

7.06

6.30

7.46

6.71

5.95

5.18

4.42

3.64

平均

9.52

8.91

8.31

7.71

7.10

6.50

6.82

6.22

5.62

5.01

4.41

3.80

甲状腺

123 I

摂取率(3時間)

5~15%9)

摂取率(24時間)

10~40%9)

99m TcO4-

摂取率(15分)

0.5~4.0%9)

腎臓

99m Tc-DMSA

腎摂取率(2時間)

20%(片腎)9)

肝臓

99mTc-GSA

HH15

正常0.537±0.03710)
軽症0.631±0.08010)
中等度 0.741±0.07610)
重症0.830±0.05410)

LHL15

正常0.942±0.01710)
軽症0.909±0.04410)
中等度 0.844±0.06610)
重症0.706±0.11210)

心臓

201 Tl

洗い出し率(washout rate)

50±5% (40%以下を心筋虚血の指標)11)

心筋血流製剤

負荷時一過性左室拡大
(TID)比

<1.209)

123 I-BMIPP

心筋/縦隔(H/M)比

2.3±0.312)

洗い出し率(washout rate)

18.3±7.5%12)

※単位は文献の表記通りに記載しているため、同じ指標でも異なる場合があります。

 

心電図同期SPECTよる心機能指標13)

 

男性

女性

EF (%)

64±7

69±7

EDV(mL)

80±16

64±13

ESV(mL)

29 ±9

20±7

EDVI (mL/m2)

47±9

42±7

ESVI (mL/m2)

17±5

13±4

EF:ejection fraction、EDV:end-diastolic volume、ESV:end-systolic volume、EDVI:EDV index、ESVI:ESV index

 

心電図同期SPECTよる拡張機能指標13)

 

60歳未満

60歳以上

PFR (/sec)

2.79±0.53

2.58±0.60

1/3 MFR (/sec)

1.68±0.30

1.51±0.47

TPFR (msec)

159±26

176±48

TPFR / RR

0.17±0.02

0.18±0.04

PFR:Peak filling rate、1/3MFR:1/3 mean filling rate、TPFR:Time to peak filling rate、TPFR/RR:Time to peak filling rate / RR interval

【参考文献】
1) Kuhl DE 他 : J Nucl Med 23:196-203, 1982
2) Hatazawa J 他 : J Nucl Med 38:1102-1108, 1997
3) 伊藤 浩 他 : 核医学 33:175-178, 1996
4) Kim KM 他 : Neuroimage 33:1126-1135, 2006
5) Yamauchi M 他 : Ann Nucl Med 28:836-850, 2014
6) Ishii K 他 : Ann Nucl Med 25:255-260, 2011
7) 楊 徳文 他 : 日本医学放射線学会雑誌 56:860-865, 1996
8) Matsuda H 他 : Eur J Nucl Med Mol Imaging 45:1405-1416, 2018
9) 利波 紀久 他 : 核医学画像診断ハンドブック -良い読影と効果的な利用のために-<改訂版> p.314-317, 2011
10) 鳥塚 莞爾 他 : 核医学 29:159-181, 1992
11) 玉木 長良 他 : 心臓核医学を活かす p.156, 1996
12) 西村 恒彦 他 : SPECT機能画像 p.126-132, 1998
13) Nakajima K : Ann Nucl Med 24:125-135, 2010
mfaq293
Q.診断用放射性医薬品を投与された患者のオムツ(感染性医療廃棄物)の処理方法、回収期間の目安は?
F246819
A.

日本核医学会・日本医学放射線学会・日本放射線技術学会・日本核医学技術学会・医療放射線防護連絡協議会より、「放射性医薬品を投与された患者さんのオムツ等の取扱いについて(核医学診療を行う医療従事者のためのガイドライン)ー放射性医薬品を投与された患者さんのオムツ等の取扱いマニュアルー」1)が公開されています。マニュアルでは、減衰を待って放射能を測定し、バックグラウンドレベル以下であることを確認してから感染性医療廃棄物として処理する方法が記載されています。


回収期間の目安は、99mTc:投与した日、123I:24時間、201Tl:7日、67Ga:7日とされています1)

【参考文献】
1) 日本核医学会・日本医学放射線学会・日本放射線技術学会・日本核医学技術学会・医療放射線防護連絡協議会 : 「放射性医薬品を投与された患者さんのオムツ等の取扱いについて(核医学診療を行う医療従事者のためのガイドライン)ー放射性医薬品を投与された患者さんのオムツ等の取扱いマニュアル 改訂2版ー」 核医学41:157-162, 2004
mfaq294
Q.放射性医薬品を投与された患者さんに対し、海外渡航時のセキュリティアラームや公共施設等の煙感知器が作動した例はありますか?対処方法はありますか?
F120035
A.

海外では201Tlや131Iを投与した患者さんに対し、空港等に設置されているセキュリティアラームが作動した例が報告されています1-4)。国内では、核種に関わらず、公共施設のトイレ等に設置されている煙感知器(紫外線検出式炎センサー)が誤作動した例が報告されています5,6)

放射線防護委員会からは、放射性医薬品を投与された患者に対して、このような情報をお伝えし、海外への渡航予定の有無を確認する等の対策を検討することを勧める文書が出されています7)。また、渡航されて万が一空港等の放射線検出器で放射線を検出された時、係員に事情を説明する助けになるよう、日本核医学会放射線防護委員会、日本甲状腺学会では、体内に放射性医薬品が残存していることを証明できる書式の例を紹介しています7,8)

 

放射性医薬品投与後セキュリティアラーム(放射線検出器)により検出されなくなる目安は、18F‐FDG : 1日後、99mTc・123I : 3日後、111In : 14~17日後、67Ga・201Tl : 30日後、131I : 95日後との報告6)があります。

【参考文献】
1) Iqbal MB 他 : Lancet 366:342, 2005
2) Geraci MJ 他 : J Emerg Med 43:e439-e442, 2012
3) Kaniuka-Jakubowska S 他 : Rev Esp Med Nucl Imagen Mol 31:148-150, 2012
4) Gitler B : J Nucl Cardiol 14:904-905, 2007
5) Tajiri J 他 : Lancet 370:934, 2007
6) Yoshizawa H 他 : Ann Nucl Med 30:380-384, 2016
7) 日本核医学会 放射線防護委員会 : 「核医学検査・治療を受けた患者が空港等で放射線を検知される事態への対応」, 2008
8) 日本甲状腺学会 : 「アイソトープ治療証明書」, 2012
mfaq295
Q.放射性医薬品を投与された患者の被ばく線量(実効線量)に関するICRPデータは?
F250047
A.

ICRP Publication 531)、1282)に示された放射性医薬品別の実効線量に関するICRPデータ一覧表を年齢別に示します。

 

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(参考)
放射線被ばくの早見図(2018年5月改訂版)3)
(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所より許可を得て掲載)

【参考文献】
1) ICRP Publication 53 「Radiation Dose to Patients from Radiopharmaceuticals」,1988
2) ICRP Publication 128 「Radiation Dose to Patients from Radiopharmaceuticals : A compendium of current information related to frequently used substances」,2015
3) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所(放射線医学研究開発部門)「放射線被ばくの早見図について」 https://www.nirs.qst.go.jp/information/news/2013/0729.html(2019年3月現在)
「放射線被ばくの早見図」(日本語版、2018年5月改訂版) https://www.nirs.qst.go.jp/data/pdf/hayamizu/j/20180516.pdf(2019年3月現在)
mfaq296