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インジウムDTPA(111In)注
サイクロトロンRI製剤
Q.脳槽、脳脊髄液腔への集積機序は?
F080211
A.

脳脊髄液は、その大部分が脳室系の脈絡叢から絶えず分泌され、脳室内を循環した後、Magendie孔及びLuschka孔より流出してくも膜絨毛から吸収され、脳静脈洞に還流します。脳脊髄液と生理的に類似した111In-DTPAをくも膜下腔に注入すると、生理的な脳脊髄液の流れに従い循環し吸収されるため、111In-DTPAを用いることにより、脳脊髄液の動態、脊髄くも膜下腔の形態を経時的に観察することができます1)

【参考文献】
1) インジウムDTPA(111In)注 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.排泄経路・尿中排泄率は?
F080211
A.

腎(糸球体)を経て尿中に排泄されます1)

 

成人男性患者3例に、111In-DTPA 37MBqを腰椎穿刺により投与し、尿中に排泄された放射能を測定しました。48時間までに排出された全累積放射能を100%としたときの各時間帯における尿中放射能の割合(%)は、血中濃度推移を反映して投与後5時間まではあまり大きくなく(11.6±1.3%)、5~10時間の時間帯で急に高くなりました(26.7±8.3%)。以後30時間まであまり変化はなく、30時間以降の排泄は少量でした(30~40時間:11.9±6.8%、40~48時間:7.2±4.3%)2)

【参考文献】
1) インジウムDTPA(111In)注 添付文書(第1版), 2022改訂
2) インジウムDTPA(111In)注 インタビューフォーム(改訂5版), 2016
Q.脳脊髄液減少症で脳脊髄液腔シンチグラフィの検査プロトコールは?
F130201
A.

日本核医学会 核医学イメージングガイドライン作成委員会「核医学診断ガイドライン2008」1)の「Ⅰ中枢神経系 4.脳槽シンチグラフィ」には臨床的意義として脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)が含まれており、検査方法として下記のように記載されています。

(3)検査法

 (a)放射性医薬品
111In-DTPA(diethylenetriamine pentaacetic acid)を用いる。

 (b)使用量、投与法
111In-DTPA 37MBqを腰椎穿刺により脊髄腔内(クモ膜下腔)に注入する。

 (c)撮像法
投与1、3、5、24、48時間後。必要に応じて72時間後を追加する。1時間では膀胱も含め撮像するが、必要に応じて全身像も撮像する。3時間以降では正面及び側面像を撮像する。コリメータは中エネルギー用コリメータを使用する。

 

なお、厚生労働科学研究で実施された脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究班からの報告書で「脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準」2)が出されており、シンチグラフィの評価方法について詳細に記載されています。

【参考文献】
1) 日本核医学会 核医学イメージングガイドライン作成委員会 :「核医学診断ガイドライン2008」 p.12-13, 2008
2) 平成22年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業 (神経・筋疾患分野)脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究班「脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準」
https://www.id.yamagata-u.ac.jp/NeuroSurge/nosekizui/pdf/kijun10_02.pdf)(2022年3月現在)