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ヨウ素125治療用密封小線源 前立腺がん密封小線源療法

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「ハイリスク症例に対する密封小線源療法の可能性」公演:Nelson N. Stone, MD Professor of Urology & Radiation Oncology, The Mount Sinai School of Medicine, USA、監修:斉藤 史郎先生 独立行政法人 国立病院機構東京医療センター泌尿器科 医長

滋賀医科大学での小線源療法の実例 (術中プラン⇒ポストプラン)

症例 :  62歳、中間リスク症例 T1cN0M0
PSA:5.0ng/mL、グリソンスコア : 3+4 (右葉と左葉から各1本陽性)
前立腺体積 : 25cc、既往歴:なし
線源強度 : 11.0MBq 線源個数:95個
線源マイグレーション : 術中、術後ともなし

【術中の最終DVH】
【術中の線量分布】
【治療1か月後のDVH】
【治療1か月後の線量分布】
リスク分類小線源療法の方法
リスク分類 小線源療法の方法
低リスク 小線源単独療法
D90=190-200Gy BED>200Gy
中間リスク 中間リスク因子一つなら小線源単独療法
中間リスク因子二つ以上なら外部照射併用療法
単独:D90=190-200Gy BED>200Gy
併用:D90=135-145Gy BED>220Gy
高リスク 外部照射併用療法
併用:D90=135-145Gy BED>220Gy
線源強度
前立腺体積 線源強度
20cc以下 11.0MBq
20cc〜30cc 11.0MBq〜13.1MBq
30cc以上 13.1MBq〜15.3MBq

強度の違う線源を前立腺体積によって使い分けること。初心者は弱めの線源をしっかり入れるようにする。
特に外部照射併用療法で20cc以下の前立腺なら11.0MBqを使用する。
線源強度の強いシード15.3MBqは慣れないうちは使用しない。

さいごに

小線源療法は、熟練を要する治療であるが、ここで解説した10のステップを丁寧に行えば、局所再発ゼロを目指した小線源療法が実現可能となる。
小線源療法を始めて間もないチームは、放射線治療医と泌尿器科医で一つ一つのステップを丁寧に確認しながら経験を積み上げていただきたい。

最初はV100=97-98%を目標にし、小線源単独療法でD90>180Gy、外部照射併用療法でD90>120Gyを目指すとよい。
特に単独でD90>190Gyは難易度が高いので修練してから取り組むことを推奨する。
また中間リスク症例の多くはBED>200Gyで完治するはずであり、慣れないうちは小線源単独療法よりはD90>115〜120Gy前後で外部照射45Gyを追加するほうが、比較的安全に再発の少ない治療ができると思われる。

この解説を繰り返し読んだうえで治療に臨み、さらに治療1か月後に得られるポストプランの結果を術中プランと比較し、放射線治療医と泌尿器科医で検討を繰り返すことが技術向上のカギである。
協力して努力を継続すれば必ず治療のレベルアップがはかれるはずである。