レビー小体型認知症(DLB)の臨床診断基準が2017年に改訂され早4年が経過する。改定前2005年版では示唆的特徴であったSPECTまたはPETで示される基底核におけるドパミントランスポーターの取り込み低下は、2017年改訂版では指標的バイオマーカーとしてより重要な位置づけとして示されている。
一方、DLBは必ずしも認知障害を初発としておらず、幻視、うつ、幻聴、妄想などの精神症状が初発となるケースも多くみられ、多様な初発症状がDLBの診断を困難にしている。したがってDLBを早期により精度高く診断するためにも症状とバイオマーカーを組み合わせていくことが重要である。

 

今回は砂川市立病院 副院長・認知症疾患医療センター長 内海 久美子(うつみ くみこ)先生に、症例提示を中心にDLBを疑うべき症状とDaT-SPECT検査の有用性について解説いただきました。

 

*本動画は、2021年7月7日(水)に実施したWeb講演会の内容を一部抜粋したコンテンツです。


● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。


多様な症状を呈するレビー小体型認知症(DLB)の診断の難しさ

Chapter

 

1.レビー小体型認知症(DLB)の初発症状
DLBの初発症状は多彩で約4割の方が認知障害から始まります。同様に約4割の方が幻視、うつ、幻聴、妄想などの精神症状から始まりました。
2.DaT-SPECT活用事例:精神症状で発症したDLB
うつ病が疑われて発症したDLBや幻聴妄想状態から発症したDLBの診断にDaT-SPECTが有用であった症例を紹介しています。
3.男女別からみたDLB症状経過の特徴
DLBでは、性別によって病像に差異があり、その後の経過を予測した治療が必要であることが示唆されます。
4.DaT-SPECT活用事例:診断に難渋したDLB、ADと診断していたが後にDLBと診断した症例
DLBは抗精神病薬に対して過敏性を示すため、興奮、幻覚、妄想などの精神症状に留意しつつ、ADとの鑑別を行うことが重要となります。