シリーズ4 脳血管障害があってもアルツハイマー病の可能性は否定できず、正確な鑑別診断が必要ですシリーズ4 脳血管障害があってもアルツハイマー病の可能性は否定できず、正確な鑑別診断が必要です

 

「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書を参照ください。
紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
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(*認証番号:301ADBZX00045000)
本コンテンツで使用している画像提供元:日本医科大学武蔵小杉病院

違いのわかるSPECT診断シリーズ 4 ADとVaDの鑑別診断 編 1

病理学的検討では、アルツハイマー病(AD)の30~70%に脳血管障害があると報告されています1)2)3)4)

 

ADと脳血管障害の関係5)
ADと脳血管障害の関係
アルツハイマー病+脳血管障害
血管性認知症(VaD)と診断したり、ADを除外してしまわないように注意が必要です。

 

 

 

脳血流SPECTにより、VaDと診断されている例の中に、ADが含まれていることが示唆されました3)4)

 

認知症のない多発性脳梗塞
20例
後部帯状回 かっこ かっこ
血流低下は認められない
20例
       
       
       
    T2協調画像
血流低下を検出
13例
NINDS-AIRENによってVaDと診断
17例
123I-IMP SPECT画像
   
   
血流低下は認められない
4列
 
 
        AD病変の存在
点線
後部帯状回の血流低下は、
AD病変の存在を示す所見として、
VaDとの鑑別や脳血管障害を伴う
認知症の診断に有用と考えられます。

 

脳血流SPECTは、ADとVaDの鑑別診断に有用です6)

 

脳血流SPECTによりADの関与が認められた症例

 

■症例提示 70歳台後半 男性

 

 

主   訴 もの忘れ
現 病 歴 高血圧があり、近医にて治療中
既 往 歴 12年前 脳梗塞発症、症状は不明
10年前 転倒によって右大腿骨を骨折
4年前 脳梗塞再発、右側の上下肢に麻痺が起こるが改善
家 族 歴 特になし
初診時所見 神経学的所見 右手の運動は遅く、細かい動作がうまくできない
wide-based gait(幅広歩行)、口部にジスキネジア
神経心理学的所見 失見当識(時間、場所)、記憶障害、計算力低下、構成失行
MMSE 16点

 

家族は1年程前から男性のもの忘れを感じていたが、3ヶ月前より悪化。夜中に起きて部屋の電灯をつけて回ったり、トイレの水を流し忘れたり、食事をしたことを忘れてまた食べるなどの行動を起こすようになった。

T2強調画像
MRIではVaDの可能性
初診時のMRI結果では脳幹、基底核、白質に梗塞が認められ、VaDの可能性が疑われました。

 

矢印

 

123I-IMP SPECT画像
しかしSPECTでは血流低下が
しかし脳血流SPECTを行ったところ、左右頭頂葉と右側頭葉での血流低下が認められました。

 

矢印

 

3D-SSP解析画像
さらにADに特徴的なパターンも
さらに3D-SSP統計画像解析にて、両側頭頂葉、右側頭葉および後部帯状回における血流低下が明らかとなりました。これはADの血流低下パターンであり、脳梗塞発症後に認知症を発症した本症例にはADが関与している可能性が高いといえます。