精神科医による実践的認知症診療~脳SPECT検査による鑑別診断~

認知症の診療は原因疾患の診断からはじまる。そしてその原因疾患の診断には臨床症状の正確な把握と神経画像検査とが必要である。本動画では、精神科外来や認知症外来で認知症を疑うべき症状、神経画像検査の選択や読影、特に脳SPECT(脳血流/ドパミントランスポーター)検査の活用法について紹介します。

今回は高知大学医学部 神経精神科学講座 教授 數井 裕光(かずい ひろあき)先生に、事例を提示頂きながら精神科医による認知症診療と脳SPECT活用に関し解説いただきました。

*本動画は、2020年10月29日(木)に実施したWeb講演会です。


● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。


Chapter

1.

精神科医による認知症診療と脳SPECT活用事例:AD早期例

認知症診療には診断時からの介入が重要で初期段階での鑑別診断が必要です。
脳血流SPECTがADの早期診断に役立った例を提示します。
2.

脳SPECT活用事例:若年性AD

若年性ADでは、一側優位性の大脳半球萎縮又は血流低下が見られた場合、大脳皮質基底核変性症との鑑別が必要になります。神経症状の有無を確認し、疑わしい場合はDaTSCANも検討します。
3.

脳SPECT活用事例:DLB初期疑い例

DLBは転倒など事故が起りやすく、予後不良のため、早期に診断し治療・対応を行う必要があります。CT、MRIでは積極的診断は困難であり、脳SPECTが早期診断に役立ちます。
4.

脳SPECT活用事例:行動障害型FTD

形態画像で前頭葉に限局性脳萎縮が強くない例も存在するため、本疾患が疑われる場合、脳血流SPECTが診断を補強します。