ダットスキャン静注 症例集2

早期パーキンソン病

症例提供 : 国立病院機構宮城病院神経内科 久永 欣哉先生

60歳代前半 女性

主  訴

左上肢のふるえ

現 病 歴

X-5年 : 左上肢のふるえ、徐々に右上肢・左下肢のふるえ、左上肢の軽度動作緩慢も軽度に自覚。

 

X-2年 : 近医受診し、本態性振戦と診断される。

 

X-1年1月 : 某院神経内科でパーキンソン病(PD)と診断され、ドパミンアゴニストを処方されるも、嘔気が出現し、中止となる。

 

X-1年4月 : 当院受診。左上肢優位に静止時・姿勢時振戦・軽度の動作緩慢・歯車様筋固縮を認め、PDと診断。
頭部MRI、MIBG心筋シンチを施行も正常所見で診断の裏付けに乏しく、患者は服薬に慎重。塩酸アマンタジン、ゾニサミドなどを処方して振戦・動作緩慢は軽減。

 

X年1月 : レボドパ100mg/日開始。

 

X年8月 : PDの診断を裏付けるため、DaTSCANを施行した。

治療・経過

患者はPDの診断を受容してきている。ドパミンアゴニストも追加して症状は安定しており、ゴルフなども楽しんでいる。認知症症状、失調症状、眼球運動症状、起立性低血圧は出現していない。パーキンソン症状を示す他の神経変性疾患は否定的と考えている。

MRI(X-1年4月)
T2WI

T2WI画像

Inversion Recovery

Inversion Recovery画像

萎縮や信号異常の所見に乏しかった。

MIBG心筋シンチ(X-1年4月)
Early

Early画像

Delayed

Delayed画像

Early  H/M比 2.43(閾値 2.2)
Delayed H/M比 2.39(閾値 2.2)
Washout Rate 23.5%
 
早期および後期ともに心筋への取り込みは正常であった。

DaTSCAN(X年8月)
Original画像

Original 画像1

 

Original 画像2

DaTView結果画像

DaTView 結果画像

右優位の線条体への集積低下が認められた。

まとめ

症状からはPDが疑われたが、客観的な裏付けがなく、患者の受容も得られ難かったが、DaTSCANの陽性所見などにより徐々に受容が得られ、治療も進めやすくなった症例である。


*本資料にはMIBG効能外の内容を含みますが、使用を推奨するものではありません。