かかりつけ医のための認知症診療Q&A レビー小体型認知症

Q3.専門医は、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症をどのように鑑別しているのですか?

answer
臨床像から両者を鑑別するポイントを下表に示しました。

臨床像からみたレビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の鑑別点
レビー小体型認知症   アルツハイマー型認知症
  • 男性により多い
性別
  • 女性により多い
  • 物忘れ以外に精神症状(幻視 妄想)
  • パーキンソン症状
初発症状
  • 物忘れ
  • 時や場所に対する認識が混乱
  • 階段状または緩徐
発病様式
  • 緩徐、知らない間に
  • パーキンソン症状(動作緩慢 筋強剛)

局所神経症状

  • 末期にならないと出現しない
  • 早期から障害されることがある
  • 転倒しやすい(繰り返す転倒)

歩行

  • 末期に至るまで正常
  • しばしばみられる 覚醒後に不良

認知機能の動揺性

  • あまり目立たない
  • 比較的進行が速い

臨床経過

  • 緩徐に進行・悪化
  • しばしばみられる(症状の悪化、時に致死的)

抗精神病薬への過敏性

  • みられない
  • より著効することが多い

ドネペジルの有効性

  • あり
  • 有効なことが多い(ときに悪化)

抗パーキンソン薬

  • 無効

川畑信也:事例から学ぶアルツハイマー病診療,中外医学社,2006, 表20を再掲

 

 

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