主な核医学検査_消化器

肝胆道シンチグラフィ

使用される放射性医薬品

99mTc-PMT【商品名:ヘパティメージ®

検査の原理

肝細胞の胆汁中への色素排泄能を利用しています。血中から肝細胞に摂取され、肝内胆管、胆嚢、総胆管を経て十二指腸に排泄される過程を経時的に描出することが可能です。肝胆道の術後や先天性胆道閉鎖症の診断に有効です。

検査の流れ、注意事項

検査前3時間の絶食をします。仰臥位の患者さんの前面から胸腹部に検出器を合わせて99mTc-PMTを静注し、投与直後から1時間にわたる経時的撮像をします。胆汁排泄機能が低下した患者さんでは、その後も必要に応じて10分程度の撮像をしますので検査が長時間に及ぶこともあります(最長24時間)。

解析方法、定量法

静注直後からの動態撮像データから、心臓(H)および肝臓(L)に関心領域を設定して時間-放射能曲線(ヘパトグラム)を作成します。これより、血中クリアランスおよび肝摂取率、肝排泄率を計算し、肝機能、胆汁排泄機能を定量評価できます。

臨床的意義
  • 胆汁うっ滞(とくに肝内胆汁うっ滞が疑われる時)や胆汁漏出の確認に有用です。
  • 急性胆嚢炎や先天性肝内胆管拡張症、胆道運動機能異常症の診断に有用です。
  • 乳児黄疸(先天性胆道閉鎖症と乳児肝炎)の鑑別診断に有用です。
  • 総胆管嚢腫、肝内結石症の診断および術後評価に有用です。
  • 胆道消化管再建術後の胆汁の流れの確認に有用です。