パーキンソン病の症状、診断、治療って?
パーキンソン病は どんな病気? なぜパーキンソン 病になるの?

パーキンソン病の診断と治療って?早期から診断・治療で、大きな支障なく生活できます。

【監修】順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科
斉木臣二 先生 服部信孝 先生
新しいSPECT検査の画像 MRI検査の画像 順天堂大学医学部附属順天堂医院 提供
A 体の動きに障害があらわれる病気です。

パーキンソン病は、脳の異常のために、体の動きに障害があらわれる病気です。
現在、日本には約20万人の患者さんがいるといわれています。高齢者に多くみられる病気ですが、若い人でも発症することがあります。

パーキンソン病の代表的な症状

動作が
遅い・少ない・小さい

symp_01.jpg

歩く速度が遅くなり、歩幅も狭くなります。
腕の振りも小さくなります。

手足が震える
(振戦(しんせん))

symp_02.jpg

安静にしている時に、手や足に細かな震えが生じます。

筋固縮(きんこしゅく)

symp_03.jpg

患者さんの腕や足を動かそうとすると、関節がカクカクするような抵抗が感じられます。

バランスがとれない
(姿勢反射障害)

symp_04.jpg

重心がぐらついたときに、姿勢を立て直すことができず、そのまま倒れてしまいます。

ゆっくりと進行するのが特徴です。

パーキンソン病は、何年もかけてゆっくりと進行する病気です。
以前は、「パーキンソン病を発症すると、10年後には寝たきりになる」といわれていました。

しかし、現在は効果的な治療薬もあるため、発症から長い年数にわたり、よい状態を保つことができます。
それだけに、早い段階からきちんと治療を始めることが大切です。

image_01_02.png
A 原因は、脳内のドパミン神経細胞の減少です。

私たちが体を動かそうとすると、脳の「大脳皮質」から全身の筋肉に、運動の指令が伝わります。
このとき、私たちの意図どおりに体が動くように、運動の調節を指令しているのが神経伝達物質の「ドパミン」です。
ドパミンは、脳の奥の「黒質」にある「ドパミン神経」でつくられています。

パーキンソン病になると、このドパミン神経が減少し、ドパミンが十分につくられなくなります。その結果、運動の調節がうまくいかなくなり、体の動きに障害があらわれるのです。

体を動かすときの脳の働き
image_01_01.png
神経の障害に伴い、体の動きの障害以外にも多彩な症状が現れます。

パーキンソン病では、黒質のドパミン神経の減少に加え、他の中枢神経や自律神経もダメージを受けます。
これにより、手足の震えなどの代表的な症状に加え、精神症状や自律神経の障害があらわれることもあります。

精神症状
「抑うつ」や「幻覚」を伴う場合があります。 また、高齢で重度の患者さんでは、「認知症」を合併することもあります。
自律神経障害
最も多いのは「便秘」で、患者さんの8割程度にみられます。
多岐にわたるパーキンソン病の症状
ドパミン神経の
減少に伴う
代表的な症状
頭痛 味覚障害 睡眠障害 起立性低血圧 立ち上がったときにふたついたり、めまいがする 頻尿 便秘 腰痛 異常な発汗 幻覚 認知症 抑うつ