123I-IMP/123I-ioflupane認知症 症例アトラスシリーズ レビー小体型認知症  東京医科大学病院 Probable DLB 幻視/ドパミントランスポーターの低下/レム期睡眠行動異常 MMSE17点 東京医科大学病院 高齢診療科 清水 聰一郎 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。 3D-SSP/DaTViewによる画像解析は株式会社AZEのAZE VirtualPlace隼を使用することで実施可能です。

幻視/ドパミントランスポーターの低下/レム期睡眠行動異常

patient_2.gif
症例の背景

出現時期は詳細不明だが、家族からの聴取により、レム期睡眠行動異常を疑う症状あり。

X-2年 もの忘れ出現。
X年11月 もの忘れ主訴にて当科来院。
MRIと脳血流SPECT検査の結果からDLBを疑い、臨床症状よりpossible DLBと診断し経過観察。
MMSE:17/30点
X+1年2月 家族からの聴取で「あそこの壁に男の子が立っている」等の幻視の訴えがあることが確認された。
本人からは「カーテンが人の顔に見える」等の錯視の訴えがあった。
この時点で臨床症状よりprobable DLBと診断。
MIBG心筋シンチグラフィ後期像のH/M比:1.50(東京医科大学病院 threshold :1.77)
X+1年3月 123I-ioflupane SPECTにて、線条体への集積低下を認めた。
MRI

T1WI
T1WI画像

FLAIR
FLAIR画像

 

画像所見

軽度の海馬の萎縮に加え、多発性ラクナ梗塞を認める。

 
123I-IMP脳血流SPECT

Original 画像
Original 画像

3D-SSP解析画像(血流画像/Z-score画像)
3D-SSP解析画像(血流画像/Z-score画像)

 

画像所見

断層画像では、側頭頭頂葉の血流低下を認める。
脳表血流分布画像とZ-score画像では、側頭頭頂葉、後部帯状回の血流低下に加え、後頭葉内側面と前頭葉の血流低下を認める。

 
123I-ioflupane SPECT

Original 画像
Original 画像

DaTView結果画像
DaTView結果画像

※東京医科大学病院SBR(Specific Binding Ratio)のthreshold : 4.18 SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。

画像所見

右側優位なびまん性の線条体への集積低下を認める。

 
まとめ

初診時の診察で、臨床診断基準1)よりpossible DLBと診断した。しかし、MRIで海馬(側頭葉内側面)の萎縮が軽度であり、脳血流SPECTで後頭葉内側面の血流低下を認めたため、DLBとして経過観察していた。経過観察中、幻視の出現を認め、更に123I-ioflupane SPECTでも両側線条体へのびまん性の集積低下を認めた。
DLB症例では、パーキンソン病と異なり、123I-ioflupane SPECTの所見は線条体への集積がびまん性に低下すると言われている2)。本例でも同様の所見を確認することができた。
パーキンソニズムを有するDLBは、さほど診断が難しくないが、本症例のようにパーキンソニズムを欠く症例において、アルツハイマー型認知症との鑑別に迷うことがしばしばある。しかし、123I-ioflupane SPECTでの線条体への集積低下所見は、DLB臨床診断基準の示唆的特徴に挙げられており、臨床症状のみに依らない診断の可能性が広がった。

                   *本資料にはMIBG効能外の内容を含みますが、使用を推奨するものではありません。

 

参考文献

1) McKeith IG, Dickson DW, Lowe J et al; Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies: third report of the DLB consortium.Neurology. 2005; 65(12): 1863-1872.

2) イオフルパン診療ガイドライン 第1版 2014年1月 日本核医学会/日本脳神経核医学研究会編

SPECT 収集・再構成条件
  123I-IMP 123I-ioflupane
機種名 シーメンス e.cam シーメンス Symbia T16
データ処理装置 e.soft e.soft
使用コリメータ LMEGP LMEGP
撮像開始時間 投与 10分後 投与 180分後
収集モード Continuous Continuous
Angular step 4度/step 4度/step
Step数 45 45
収集時間 20min(2.5min×2×4cycle) 28min(3.5min×2×4cycle)
収集拡大率 1.45 1.45
マトリックスサイズ 128×128 128×128
ピクセルサイズ 3.3mm 3.3mm
スライス厚 6.6mm 3.3mm
前処理フィルタ Butterworth Gaussian FWHM 6mm
再構成フィルタ ramp  
Order 8  
Cut off周波数 0.35 Nyquist  
画像再構成法 FBP OSEM(Iteration:8 Subset:6)
減弱補正 あり(方法:Chang法 μ=0.08cm -1) CT補正
散乱線補正 なし なし