認知症疾患医療センターの役割と脳SPECT検査の活用事例
「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書を参照ください。
紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が 同様な結果を示すわけではありません。
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本コンテンツで使用している画像提供元:兵庫県立リハビリテーション西播磨病院

このページ内のコンテンツは症例提供いただいた兵庫県立リハビリテーション西播磨病院脳神経内科医長・認知症疾患医療センター センター長 高橋竜一先生による音声と動画の解説がございます。 本ページ内の「音声再生」をクリックすると音声 が、 画像内の「」をクリックすると動画 が再生されます。



兵庫県立リハビリテーション西播磨病院脳神経内科医長・認知症疾患医療センター センター長 高橋 竜一先生より  音声再生


脳SPECT検査の活用事例
近時記憶障害を中心とした軽度認知障害

  • 診断病名 MCI due to AD (MCI due to Alzheimerʼs disease)
  • 年齢 60歳台後半
  • 性別 男性

提示症例について 音声再生

症例の背景

受診の経緯
もの忘れの進行で認知症精査のため近医からの紹介受診。
既  往  歴
高血圧
現  病  歴
2、3年前からのもの忘れ。映画を見て同じビデオを見ても、初めて見たと言い張る。仕事での忘れ物やいらいらすることが多くなった。もともと方向音痴であったが、2、3カ月前に郵便局に行った際、帰り道が初めて通る道のように思うなど、道を忘れることが増えた。当施設に何度も来たことがあるという作話もある。自発性の低下がみられ、趣味のゴルフにもいかなくなった。礼節は保たれている。徘徊は無い。夜間の寝言は無い。尿の回数は多いが尿失禁は無い。
神経症状
躓くが、転倒は無い。パーキンソニズムは無い。
神経心理検査
記憶検査
MMSE:26/30点 ADAS: 7/70点 FAB:14/18点
論理的記憶:直後再生 5/50点 30分後再生 7/50点
MRI検査

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両側頭頂葉に軽度の萎縮を認めた。海馬の萎縮は認めない。

パーヒューザミン®注(IMP) 脳血流SPECT検査

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前頭葉()の血流低下と、左頭頂葉()と楔前部()、後部帯状回の一部()など、後方領域に低下を認め、アルツハイマー型認知(AD)の血流低下パターンを呈している。

 

診断
音声再生

神経心理検査ではMMSE 26点と軽度認知障害の状態。論理記憶検査では直後再生が5点、30分後再生が7点と注意力低下や近時記憶障害 は比較的軽度であった。

MRIでは両側頭頂葉に軽度の萎縮を認めた。

パーヒューザミン®注脳血流SPECT検査では前頭葉にも低下を認めるが、左頭頂葉と両側の楔前部、後部帯状回の一部に血流低下を認めADの血流低下パターンを呈していた。

以上から、近時記憶障害を中心とした認知機能障害を認めた本例はMCI due to ADと診断した。