主な核医学検査_腫瘍・炎症
・掲載されている薬剤の使用にあたっては、各製剤の最新の電子添文を参照ください。
・紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

18F-FDG

使用される放射性医薬品

18F-FDG【販売名:FDGスキャン®

検査の原理

グルコースとよく似た構造の18F-FDGは、グルコースと同様にグルコーストランスポーターにより細胞に取り込まれますが、細胞内でヘキソキナーゼによりリン酸化を受けることで、それ以上代謝されることなく細胞内に留まります。腫瘍細胞では正常細胞に比べ糖代謝が亢進し、取り込みが増大することから陽性像として描写されます。

検査の流れ、注意事項

検査前4時間は絶食で、糖分を含んだ水分等の摂取も控えます。また、筋肉への集積を抑えるためには運動も控えることが大切です。
18F-FDGを静注後、約1時間は待機室で安静に待機し、検査直前には排尿をしておきます。検査は、仰臥位の状態で装置もしくはベッドを移動させて全身像を撮像します(PET装置による撮像とCT装置等による撮像が行われます)。場合によっては、その1時間後にも撮像を追加することがあります。
FDGスキャン®注のPET検査の流れを参照ください。

解析方法、定量法

一般的に悪性度の高い腫瘍ほど糖代謝が亢進することが知られており、視覚評価、さらには18F-FDGの集積程度を示す半定量的指標としてSUV(standardized uptake value)による評価が行われます。PET/CT装置は糖代謝情報のPET画像と形態情報のCT画像を融合させた画像(下図)を用いて診断をします。

 

PET画像と形態情報としてのCT画像を融合させた融合画像
画像提供元:東邦大学医療センター大森病院

臨床的意義
FDGスキャン®注の効能・効果は、以下です。
◆悪性腫瘍の診断
・肺癌,乳癌,膵癌(他の検査,画像診断により癌の存在を疑うが,病理診断により確定診断が得られない場合,あるいは,他の検査,画像診断により病期診断,転移・再発の診断が確定できない場合)の診断
・頭頸部癌,胸膜中皮腫,食道癌,胃癌,大腸癌,消化管間質腫瘍,肝癌,胆道癌,膀胱癌,腎盂・尿管癌,子宮癌,卵巣癌,骨軟部腫瘍,皮膚癌,悪性リンパ腫,悪性黒色腫(他の検査,画像診断により病期診断,転移・再発の診断が確定できない場合)の診断
・脳腫瘍,胸腺腫瘍,腎癌,精巣腫瘍,甲状腺癌(他の検査,画像診断により転移・再発の診断が確定できない場合)の診断
・多発性骨髄腫が疑われる又は多発性骨髄腫患者における骨病変又は髄外病変の可視化(他の検 査,画像診断により骨病変又は髄外病変の存在が疑われる場合)
・原発不明癌(リンパ節生検,CT等で転移巣が疑われ,かつ,腫瘍マーカーが高値を示す等,悪性腫瘍の存在を疑うが,原発巣の不明な場合)の診断
◆虚血性心疾患(左室機能が低下している虚血性心疾患による心不全患者で,心筋組織のバイア ビリティ診断が必要とされ,かつ,通常の心筋血流シンチグラフィで判定困難な場合)の診断
◆難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる 場合の脳グルコース代謝異常領域の診断
◆大型血管炎の診断における炎症部位の可視化
◆心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化
参考資料・関連ページ