心筋シンチ読影テキスト 総論

読影の手順とポイントのまとめ

番号1
極座標表示で集積低下部位の分布を確認し、灌流欠損があるかないか?
あるとしたら虚血か? 梗塞か?
などをまず把握する!!

矢印

番号2
心筋SPECT断層画像を見て、1で把握した欠損像が真の低下なのか?
フォトンの減衰や高い肝集積によるアーチファクトか? 体動によるアーチファクトか?
などを判断する!!

左矢印

番号3

上記を把握した上で局所17領域の集積をスコア化する。

TIではWORマップを利用して虚血領域を視覚的に把握
WOR低下は時に虚血診断の一助になるが薬物負荷では有用性はない。

SSS・SRS・SDSからその重症度をレポートする。

右矢印

番号4

心電図同期SPECTでは左室容積・LVEFや、負荷時の一過性虚血性内腔拡大(TID)の有無を確認
ただし、TIDは虚血判定の特異性は低いので、直ちに多枝病変と判断すべきではない。

負荷時局所壁運動は、負荷後から撮像までのタイムラグがあるため、一過性左室収縮低下などを反映していないことが多いので注意が必要。

矢印

番号5
冠動脈支配領域に一致しない集積異常を認めた場合、アーチファクト・左脚ブロック・心筋症その他の心筋障害による異常の可能性があり、その鑑別が必要

矢印

番号6
最終診断では心臓と冠動脈の支配領域を理解し、虚血や梗塞の有無と同時に責任冠動脈についてもできるだけ具体的にレポートする。心筋障害の場合、可能であれば原因疾患の推定などを記載すると良い。