総論 東京女子医科大学 画像診断学・核医学講座 百瀬 満

読影のポイント

ポイント5

SPECT像のスコアリングをする

  • 1 左室心筋全体を17分割し、各々のセグメントを5段階にスコアリングして合計点数を算出する(図10)。
  • 2 正常:0点〜完全欠損:4点。正常例では負荷像・安静像(Tlでは再分布像)とも総欠損スコアは0点。
  • 3 スコアリングは視覚的な方法もあるが、極座標表示上の%uptakeの値も目安となる。
    表2に標準的なスコアの基準を示し、表3に冠動脈疾患(CAD)患者のリスク層別化を表す。

表2


表3


図10 左室心筋の17分割セグメントモデル


  • ・この基準はあくまでも目安で、部位により重み付けを変化させる必要がある。
  • ・例えば、前壁基部〜中隔基部については正常でも集積が低く描出されることから、視覚的な評価も加味してスコアリングをする必要がある。
  • ポイント4で示したアーチファクト等による集積の低下と判断した場合には、基本的にスコアは0として記載する。
  • ・これを自動で算出するプログラムも普及しており、日本核医学会の正常データベースを用いれば自動的にスコアが極座標上に表示することもできるので、参考値として参照されたい。
  • ⇒負荷像セグメントの欠損スコア合計を、SSS (summed stress score)
  • ⇒安静像セグメントの欠損スコア合計を、SRS (summed rest score)
  • ⇒負荷像のスコアから、安静像のスコアを減じたものをSDS(summed difference score=SSS-SRS):虚血スコアとして取り扱う。取り扱う。

 上記のように算出するが、特にSSSやSDSはその後の虚血性心疾患の予後を反映するデータであり、臨床的に重要である。
 また、虚血スコアとしてのSDSが全心筋の10%以上あると(17分割の場合にはSDS≥7の場合)、薬物療法より冠動脈血行再建が望ましいとするエビデンスもある。図11にスコアリングの実際を示した。


図11 極座標表示(Polar map)上で局所のスコアリングを行う