パーキンソン病・運動障害疾患センター センター長 村田 美穂 先生
パーキンソン病があっても、MRIやCTなど脳の形を見る画像検査では、健康な人との区別がほとんどつきません。
これに対し、新しいSPECT(スペクト)検査は、パーキンソン病の原因となるドパミン神経の減少が目で見てわかるので、早期診断、早期からの治療開始に役立ちます。
また、手足の震えなど、パーキンソン病に似た症状があらわれる別の病気もあります。
これらの病気とパーキンソン病では治療の内容が違うので、しっかり区別することが大切です。
こうした“鑑別診断”にもSPECT(スペクト)検査が用いられます。
減少することにより、動作の遅れ、
歩行障害などが生じます。
症状が発生します。
やすくなるなどの症状がみられます。
脳の形を見る検査ではわからない異常を見つけられる場合があります。
の画像

SPECT
(スペクト)
検査の画像

はっきりと確認できます。
薬物療法
ドパミン系を補充する薬を始め、様々な薬があり、年齢や症状により
組み合わせて使います。
以下に代表的な2剤をご紹介します。


治療効果が高く、速効性に優れているのが特徴です。


治療効果がやや弱く、ゆっくり効くので、1日中穏やかで安定した効果を得られます。
近年は内服薬に加え、注射薬と貼付薬も登場し、治療の選択肢が広がりました。

その結果、服用中だけでなく服用中止後も、L-ドパグループのほうがプラセボグループよりも良好な状態が維持されました。
初期からのL-ドパ投与により、病気の進行が抑制された可能性があり、あらためて早期診断・早期治療の有効性が示されたといえます。

手術
薬物療法の副作用が強かったり、症状のコントロールが難しい場合には、手術が選択されることもあります。
主に行われる「脳深部刺激療法」では、脳の奥のドパミンに関係する部位に電極を埋め込み、弱い電気刺激を与えることで運動機能を改善します。
リハビリテーション
パーキンソン病と診断されたら、すぐにリハビリテーションを始めることが大切です。
有酸素運動やストレッチなどを積極的に行うことで、生活に支障のない状態を長く保つことができ、薬の使用も最小限ですみます。
また、パーキンソン病になると、口の周りの動きの影響で、「声が小さくなる」「早口になる」「声がかすれる」などの障害があらわれることもあります。これらの症状にもリハビリテーションが有効です。



|
|
||||
|