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2 J-ACCESS 心臓核医学検査、虚血性心疾患

我が国の心臓核医学検査を用いた虚血性心疾患(IHD)に関する代表的研究にJ-ACCESS(研究代表者:京都府立医科大学特任(名誉)教授 西村恒彦)がある。
心電図同期心筋血流SPECTと心機能評価(QGS解析)の国内最大の臨床データベースである。本研究は公益財団法人 循環器病研究振興財団により実施されている。

J-ACCESSは、全国117施設からTF心筋SPECTを施行したIHDとその疑い患者4,629症例が登録され、3年間の追跡調査をした大規模観察研究である。
本研究では、3年間の心血管事故発生率は欧米の報告に比し1/2 〜 1/3と低率であったが、心筋SPECT画像の視覚的定量評価からSSS≧9の群で心血管事故の発生率がSSS<9の群よりも有意に高く、欧米の報告と同じ傾向であり、心血管事故発生リスク層別化が可能であった。
次いで実施されたJ-ACCESS 2では、全国50施設から心症状のない2型DM患者513例が登録され、3年間の追跡調査から心事故発症リスクは同様にSSS≧9で有意に高いことが示された。
さらに、CKD患者を対象に実施されたJ-ACCESS 3では、全国62施設から明らかな心疾患の既往のないCKD患者549例が登録され、3年間の追跡調査から心イベントと関連する独立因子であったのが、SSS≧8、eGFR<15ml/分/1.73uおよびCRP≧ 0.3mg/dLの3つであり、SSS以外の因子を加えることによる心筋SPECTの有用性が示された。
さらに最近、J-ACCESS 4において、全国59施設からCADとその疑い患者494例が登録され、治療前後に2回負荷心筋SPECTが施行された298例のうち、虚血心筋量を5%以上減少できた症例群では、できなかった症例群に対して心血管イベントが少なく、もともと虚血心筋量が5%未満であった症例群と同様に予後良好であった。
一方、治療により5%まで虚血心筋量を減少できなかった症例は予後不良であることが示された。