「もの忘れ」が気になる方々へ

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「もの忘れ」と認知症は異なります。

「もの忘れ」は、高齢化につれて誰にでもみられるものですが、社会生活や家庭生活に支障をきたす場合には認知症の可能性が考えられます。

下の表は、認知症でみられる「もの忘れ」と、年齢に伴う「もの忘れ」の違いを示したものです。

認知症でみられる「もの忘れ」と年齢に伴う「もの忘れ」の違い
 認知症でみられる「もの忘れ」年齢に伴う心配いらない「もの忘れ」
もの忘れの内容自分の経験した出来事を忘れる一般的な知識や常識を忘れることが多い
もの忘れの範囲体験したこと全体を忘れる体験の一部を思い出せない
最近の出来事を思い出せない
覚えていたことを思い出せない(ど忘れ)
ヒントを与えるとヒントでも思い出せないヒントで思い出せることが多い
記憶障害の進行緩徐に進行していく何年たっても進行・悪化していかない
もの忘れの自覚自覚していない(病識なし)
深刻に考えていない
自覚しており、必要以上に心配する

認知症は病名ではありません。病気によって生じる症状・状態の総称です。認知症の原因となる病気は数多くありますが、代表的な病気は以下のものです。

認知症の原因となる病気
神経変性疾患アルツハイマー型認知症
レビー小体型認知症
前頭側頭型認知症
脳血管障害血管性認知症
その他の疾患治療可能な認知症
認知症は、「もの忘れ」とは違いますし、病気の名前でもありません。
さまざまな病気によって生じる症状・状態を表します。

脳は場所ごとに違う機能を担っていると考えられています。

前頭葉

脳全体の司令塔。思考や行動、言語、意欲などを担っています。

頭頂葉

痛み、温度、圧力などの感覚や、自分の身体の感覚、方向感覚などを担っています。

側頭葉

聴覚、嗅覚、情緒、感情などを担っています。また、言語、記憶に関係しています。

後頭葉

視覚中枢として、目から伝わる情報を処理・解析しています。

下の脳の図は、認知症の原因となるそれぞれの病気で、よく異常がみられる(血液の流れが少なくなっている)場所を示しています。

もの忘れ
日時や場所がわからない
怒りっぽくなる
服の着方がわからない
など、日常上の実行機能
の障害
思考や行動が緩慢
幻視    動作が遅くなる
日によって、もの忘れなどの症状に
変動がある
自分勝手な発言や行動が多い
他人の迷惑を考えない行動をとる
毎日決まった行動を繰り返す

認知症の診断に脳画像検査が役立ちます。

認知症の原因となる病気を診断するためには、患者さんご本人の診察に加え、患者さんの日常生活をよく知るご家族のお話を伺うことがとても大切になります。

さらに、頭部CT(シーティー)スキャン、MRI(エムアールアイ)といった脳の形をみる検査や、脳SPECT(スペクト )などの脳の働きをみる検査によって、診断のための重要な手がかりを得ることができます。

認知症の診断の流れ
ご家族・周囲の方々からの情報収集
患者さんの診察・問診
脳の働きをみる簡単なテスト(神経心理検査)
脳画像検査    脳の形をみる検査(CT (シーティー)スキャン、MRI(エムアールアイ))
 脳の働きをみる検査(SPECT(スペクト)など)
認知症の原因となっている
病気の診断・ご家族への説明
健康な人とアルツハイマー型認知症の方では、脳の形や働きに違いがみられます。
脳の形をみる検査-MRI(エムアールアイ)検査のT1強調画像
脳を水平に“輪切り”にするように撮影した画像(水平断面像)です。上の健康な人に比べて、下のアルツハイマー型認知症の人の脳では、黄色い矢印で示した空洞(側脳室下角(そくのうしつかかく))や、赤い矢印で示した空洞(側脳室体部(そくのうしつたいぶ))が広がっているなど、異常がみられます。
脳の働きをみる検査-SPECT(スペクト)画像

水平断面像で脳の血液の流れをみています。青や緑が血流の低下している部分です。アルツハイマー型認知症の人では、黄色い矢印で示した頭頂葉の後部で血流が低下していることがわかります。

検査を受けた人のSPECT画像と、健康な人たちのSPECT画像(データベース)とをコンピュータで比較して、異常のある部分に色をつけています。アルツハイマー型認知症の人の脳では、黄色い矢印の部分で脳血流の低下が認められます。


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