「もの忘れ」が気になる方々へ

認知症かな?と思っても治る病気の場合があります。

認知症と似ている症状がみられるものの、適切な治療によって回復可能な病気もあります。その代表的な病気は、慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ) や脳腫瘍(のうしゅよう) 、正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう) などです。

こうした病気を早く見つけて早く治療するためにも、認知症が疑われる症状に気づいたら、早めに受診することが大切です。

認知症と似た症状がみられても、回復可能な主な病気

髄液(ずいえき)と呼ばれる液体が、脳の中心にある脳室にたまり、まわりの脳を圧迫します。

まんせいこうまくかけっしゅ
慢性硬膜下血腫
のうしゅよう
脳腫瘍
せいじょうあつすいとうしょう
正常圧水頭症

頭蓋骨と脳の間に出血が生じます。

気道がふさがり、低酸素または高二酸化炭素状態になることで、認知症に似た症状があらわれます。

甲状腺機能低下症
栄養障害、飲酒
慢性閉塞性肺疾患
糖尿病
薬剤による副作用

甲状腺ホルモンの低下により、活動が低下したり、思考が緩慢になります。

 

うつ病・抑うつ状態

しばしば認知症と混同されます。

脳の形をみる検査によって、手術で治る病気であることがわかったケース

84歳、男性、「もの忘れ」と歩行障害で受診し、
慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)が判明しました。

 

左前頭葉に、頭蓋骨と脳に挟まれた血腫が認められます。

73歳、女性、アルツハイマー型認知症の経過中にMRIで
慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ) の合併が明らかになりました。

 

左前頭葉から頭頂葉にかけて血腫の存在が認められます。

64歳、女性、「もの忘れ」の訴えで受診し脳腫瘍(のうしゅよう)が判明しました。

 

左前頭葉の頭蓋骨に接して、造影剤で染まる球形の腫瘍が認められます。

アルツハイマー型認知症の診断では脳血流画像検査が重要です。

認知症の原因となる病気には、それぞれ特徴的な脳血流の異常がみられます。このため、患者さんの数が最も多く、また症状の進行を遅らせる薬のあるアルツハイマー型認知症を他の病気と区別するために、SPECT(スペクト)などの脳の働きをみる検査が役立ちます。

もの忘れが心配で医療機関を受診する方の3人に2人はアルツハイマー型認知症です。
物忘れ外来受診939名の診断内訳
脳の働きをみるSPECT(スペクト)検査によって、どんな病気が原因で
認知症になったのかを調べることができます。

下の画像の矢印は、同年代の健康な人と比べて脳の血流が少なくなっている場所を示しています(3D-SSP(スリーディーエスエスピー)統計解析画像)。その場所が、病気によって違います。

60歳、女性、アルツハイマー型認知症

 
 

58歳頃から「もの忘れ」が目立ち始め、買い物ができず、計算も苦手になりました。59歳から料理をしなくなり、終日自宅でなにもしない生活になっています。

黄矢印 :  左頭頂葉の後部
赤矢印 :  両側の楔前部(けつぜんぶ)から
後部帯状回(こうぶたいじょうかい)

73歳、男性、レビー小体型認知症

 
 

70歳頃から「車の中に見知らぬ人間がいる」などの幻視を訴え始めました。同時に動作が遅くなってきました。

黄矢印 :  右頭頂葉の後部から後頭葉、
左側頭葉の後部から後頭葉
赤矢印 :  両側後頭葉の内側

71歳、男性、血管性認知症

 
 

65歳時に脳梗塞。その後、車を運転中に赤信号を無視するなどの行動障害が出現。69歳頃から歩行障害もみられ始めました。

黄矢印 :  左前頭葉の外側
赤矢印 :  両側の内側前頭葉から前部帯状回(ぜんぶたいじょうかい)

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