パーキンソン病の診断と治療って?早期から診断・治療で、大きな支障なく生活できます。

【監修】 国立精神・神経医療研究センター
パーキンソン病・運動障害疾患センター センター長 村田 美穂 先生

Q 新しい画像検査で何が変わるの?

A パーキンソン病の早期発見や、ほかの病気との区別がしやすくなります。

パーキンソン病があっても、MRIやCTなど脳の形を見る画像検査では、健康な人との区別がほとんどつきません。
これに対し、新しいSPECT(スペクト)検査は、パーキンソン病の原因となるドパミン神経の減少が目で見てわかるので、早期診断、早期からの治療開始に役立ちます。

また、手足の震えなど、パーキンソン病に似た症状があらわれる別の病気もあります。
これらの病気とパーキンソン病では治療の内容が違うので、しっかり区別することが大切です。
こうした“鑑別診断”にもSPECT(スペクト)検査が用いられます。

パーキンソン病に似た症状があらわれる病気(状態)
動作をするときに震えが生じる病気です。
薬の副作用が原因で症状があらわれます。
脳の黒質、視床下核などの神経細胞が
減少することにより、動作の遅れ、
歩行障害などが生じます。
脳梗塞など、脳血管障害の後遺症として
症状が発生します。
動作が遅くなったり、筋肉がこわばり転び
やすくなるなどの症状がみられます。
脳の形を見る検査ではわからない異常を見つけられる場合があります。
MRI検査
の画像
健康な人 パーキンソン病 順天堂大学医学部附属天堂医院 提供
健康な人とパーキンソン病の人との区別がほとんどつきません
同じ時期の
SPECT
(スペクト)
検査の画像
健康な人 パーキンソン病 順天堂大学医学部附属天堂医院 提供
パーキンソン病での脳内の変化(ドパミン神経の減少)が
はっきりと確認できます。

Q どのような治療をするの?

A 大きく分けて3つの治療法が あります。

1薬物療法

ドパミン系を補充する薬を始め、様々な薬があり、年齢や症状により
組み合わせて使います。
以下に代表的な2剤をご紹介します。


脳内でドパミンに変化して、不足しているドパミンを補います。
治療効果が高く、速効性に優れているのが特徴です。

ドパミンに似た作用をもつ薬です。
治療効果がやや弱く、ゆっくり効くので、1日中穏やかで安定した効果を得られます。
近年は内服薬に加え、注射薬と貼付薬も登場し、治療の選択肢が広がりました。
初期のパーキンソン病の患者さんを、L-ドパを服用するグループと、プラセボ(有効成分を含まない見かけだけの薬)を服用するグループとに分けて症状を比較しました。
その結果、服用中だけでなく服用中止後も、L-ドパグループのほうがプラセボグループよりも良好な状態が維持されました。
初期からのL-ドパ投与により、病気の進行が抑制された可能性があり、あらためて早期診断・早期治療の有効性が示されたといえます。
手術

薬物療法の副作用が強かったり、症状のコントロールが難しい場合には、手術が選択されることもあります。
主に行われる「脳深部刺激療法」では、脳の奥のドパミンに関係する部位に電極を埋め込み、弱い電気刺激を与えることで運動機能を改善します。

3 リハビリテーション

パーキンソン病と診断されたら、すぐにリハビリテーションを始めることが大切です。
有酸素運動やストレッチなどを積極的に行うことで、生活に支障のない状態を長く保つことができ、薬の使用も最小限ですみます。

また、パーキンソン病になると、口の周りの動きの影響で、「声が小さくなる」「早口になる」「声がかすれる」などの障害があらわれることもあります。これらの症状にもリハビリテーションが有効です。

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