日本メジフィジックス 医療関係者専用情報

腫瘍・炎症【主な核医学検査】

ガリウムシンチグラフィ

使用される放射性医薬品
67Ga(クエン酸ガリウム) 【商品名:クエン酸ガリウム(67Ga)注NMP
検査の原理
67Gaの腫瘍への集積機序ははっきりとは解明されていません。血清蛋白質のひとつであるトランスフェリンは腫瘍細胞膜表面にあるトランスフェリン受容体を介して腫瘍細胞内に取り込まれます。67Gaはトランスフェリンと結合して、トランスフェリンの取込みが亢進した腫瘍細胞に多く集積すると考えられています。
炎症部位への集積機序もはっきりとは解明されていません。炎症組織での血流の増加や、毛細血管の透過性亢進による67Gaの運搬、白血球への取り込み、細菌への取り込み、組織間質への結合などいくつかの機序が同時に関与すると考えられています。
検査の流れ、注意事項
67Gaは静注して2〜3日後に撮像をします。前処置として、撮像の前日に下剤を投与します。仰臥位で寝た患者さんの前後方向に検出器もしくはベッドを移動させて20分程度の撮像をします。SPECT収集をして断層像を得る場合にはさらに15分〜25分程度を要します。
解析方法、定量法
得られた画像で病変部と健常部との集積比を計算することで、病変の活性度を評価します。また、SPECT収集の際にCT検査も同時にできる装置では、両画像を融合表示することで診断情報を増やすことができます。
臨床的意義
  • 悪性腫瘍(悪性リンパ腫、悪性黒色腫、肺腫瘍、甲状腺未分化癌、原発性肝癌など)の診断や治療効果判定、転移診断に有用です。
  • サルコイドーシス、間質性肺炎、骨髄炎、関節炎などの炎症性疾患の診断や活動性評価に有用です。
  • 不明熱の原因病巣、原発不明癌の検出に使用されます。

肺癌例:右肺底部にガリウムの集積がみられる

MIP像(前面)

MIP(最大値投影法)は、SPECTの各断面画像におけるカウントの最大値を投影線上に逆投影して、RI集積が高い部位を強調して表示します。
全身像では不明瞭な肺癌が明瞭に描出されています。