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PET検査概要・解説

PETとは

PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略です。
PETは、陽電子を放出する放射性同位体を含む薬剤を投与し、その体内分布を画像化して診断を行う技術であり、臓器の生理的・生化学的機能情報を得られるという点に特徴があります。従来のCTやMRIなどの形を見る検査とは異なり、細胞の活動状態を画像で見ることができるため、がんや心臓、脳の病気の原因や病状の診断に有用です。
また 一回の投与で全身の病変を検索できるという利点もあります。

Photo
核医学検査の手引きより

脳における検査の有用性
難治性てんかんの診断
心臓における検査の有用性
虚血性心疾患の診断
がんにおける検査の有用性
○早期発見
○良性・悪性の判断
○がんの部位や広がりの診断
○治療効果の判定
○再発や移転の診断

PET検査の原理

PET検査で、今最も良く使われているのは18F-FDGです。
18F-FDG(フルデオキシグルコース)はグルコースの2位の水酸基を陽電子(Positron)放出核種であるフッ素18で置換した誘導体です。

グルコースFDG

【FDG腫瘍集積機序】

18F-FDGはグルコースと同様にグルコーストランスポーターを介して細胞内に取り込まれ、ヘキソキナーゼによりリン酸化を受けるが、グルコースと 異なりその後の代謝を受けないことから、リン酸化体として細胞内に滞留します。

腫瘍細胞・心筋虚血領域細胞及びてんかん原生領域の細胞では正常細胞と比較して、グルコースの取り込みが変化していることが知られています。
従って、18F-FDGを用いて、体内のグルコース代謝異常を非侵襲的に検出すれば、悪性腫瘍、心疾患またはてんかんの診断が可能となります。
例えば、悪性腫瘍では増殖が盛んに行われるために正常細胞よりも3〜8倍のグルコースを取り込むとされています。従って18F-FDGは正常細胞よりもたくさん集積することになります。
PETカメラを用いて18F-FDGの分布を撮影し解析すると、悪性腫瘍の位置・大きさ及び活動の状況を診断することが可能とされています。

PET画像

FDG-PET検査ではこのように見えます。

肺癌

Photo 右肺中葉に大きな腫瘍があり,FDGの強い集積
→)を認める。
右気管支−食道間にリンパ節転移(→→)を認める。
Photo CT像にみられる気管前方の小リンパ節(→)に対応してFDGの強い集積(→)を認める。
Photo 肝臓に多発転移(→)を認める。
肝門部にリンパ節転移を認める(
→→)。

直腸癌

Photo

局所再発(→→
造影CTで認められる腸管壁の肥厚様変化に一致してFDGの高い集積を認める。

肝転移(→→
造影CTとFDG-PET上,共に複数の肝転移を認める。

頭頸部癌

Photo 治療前(a,b,c)
CT像とMRI像で中心部壊死を示す腫大した頸部リンパ節転移病巣(→)を認める。
FDG-PET像でも一致した部位にFDGの異常集積
→)を認める。

Photo 治療後(d,e,f)
放射線併用動注化学療法後のCT像とMRI像ではリンパ節は縮小したが造影効果が認められ,リンパ節転移陽性を示す所見(偽陽性)である。
FDG-PET像では,FDGの異常集積は認められず正しく評価されている(組織学的に癌細胞消失)。

PET検査の放射線

PET検査での被曝線量は、1回あたり約3.5mSv(ミリシーベルト)です。これは人が1年間に自然界から受ける2.4mSvの約1.5倍の量です。また最近のX線CTを組み込んだPET/CT検査では、X線CTによる被曝(数mSv〜十数mSv)が加わりますが、この線量で急性の放射線障害が起こることはありませんので、ご安心ください。

PET検査の放射線