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FDGスキャン®ポジトロン製剤

[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F081860集積機序は?
18F-FDGは、グルコースと同様にグルコーストランスポーターにより細胞に取り込まれ、ヘキソキナーゼによりリン酸化を受けますが、グルコースと異なり解糖系の酵素であるホスホグルコースイソメラーゼによるフルクトースへの異性化反応を受けないことから、リン酸化体として細胞内に滞留します。したがって、その滞留した18F由来のポジトロンを核医学検査装置で追跡することにより、腫瘍細胞の診断、虚血性心疾患における心筋バイアビリティの診断、及びてんかん焦点の診断が可能となります1)

図:腫瘍細胞へのグルコースとFDGの取り込み機序2)

(1)グルコーストランスポーター(GLUT:グルコース輸送体膜蛋白)を介してグルコース、FDGは腫瘍細胞膜から細胞質へと取り込まれる。
・腫瘍細胞には悪性度の高いものほどグルコーストランスポーターが過剰発現している。
・この蛋白を介して細胞内に促進拡散される。
(2)ヘキソキナーゼ(hexokinase)によりグルコース、FDGはリン酸化される。
・腫瘍細胞内のヘキソキナーゼは活性化が亢進している。
(3)グルコースはさらに解糖系へ進む。
(4)FDG-6-リン酸は解糖系に進むことなく腫瘍細胞内にとどまる。
(5)腫瘍細胞においてはグルコース-6-ホスファターゼ(glucose-6-phosphatase)の活性は低下していることが多く、脱リン酸化は進みにくい
※分化型肝細胞癌や腎癌にはグルコース-6-ホスファターゼを豊富に有するものがあり、FDG-6-リン酸は再度脱リン酸化されて、細胞外に排出されやすく、偽陰性を呈することが多い。

【参考文献】
1) FDGスキャン注 添付文書(改訂4版), 2010
2) 西村 恒彦 他 : クリニカルPET一望千里:p.68-69, 2004

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F081860排泄部位・排泄率は?
主に腎・尿路系から排泄されます1)

第I相臨床試験において、健常成人男性3例に18F-FDG 185MBq(2mL)を静脈内投与し、投与後6時間まで経時的に蓄尿を行い、尿中放射能を測定したところ、尿中放射能累積排泄率(3例の平均値±標準偏差)は投与後120分で22.3±2.6% ID、投与後240分で26.4±2.3% ID、投与後6時間で32.1±2.9% IDと経時的に増加しました1)
なお、腸管への放射能分布率は最大で2.4±0.29% IDでした1)
※ID:投与量(Injected Dose)

【参考文献】
1) FDGスキャン注 インタビューフォーム(改訂6版), 2010

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[FDGスキャン®注] 更新日:2016/01/14
F081855生物学的半減期・有効半減期は?
生物学的半減期は約19時間、有効半減期は約100分との報告1)があります。

【参考文献】
1) 金谷 信一 : ニュータウンカンファレンス 30:14-17, 2005

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F081862血中濃度の推移は?
第I相臨床試験において、健常成人男性3例に18F-FDG 185MBq(2mL)を静脈内投与し、投与後6時間まで経時的に静脈採血を行い、血中放射能を測定しました。静脈血中放射能分布率(3例の平均値±標準偏差)は投与後3分で31.1±12.9% ID、投与後6時間で3.3±0.5% IDとなり、18F-FDGは血中から速やかに消失することが示されました1)

【参考文献】
1) FDGスキャン注 インタビューフォーム(改訂6版), 2010

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[FDGスキャン®注] 更新日:2016/04/18
F151841正常集積部位は?
18F-FDGは、ブドウ糖類似の化合物であるので、体内のブドウ糖とほぼ同様の分布を示します。脳は最も糖代謝の盛んな臓器であるので、強く集積を示し、その他に、糖代謝の程度に応じて各臓器への集積がみられます。また18F-FDGの排泄経路として、腎臓・尿管・膀胱が強く描出されます1)


生理的集積は変動します。 (1)筋肉運動状態、(2)血糖値・インスリン値、(3)食事摂取の状態、(4)月経周期、(5)治療との関係 など、検査時の生理的状態の把握が必要です1)

【参考文献】
1) 西村 恒彦 他 : クリニカルPET一望千里 p.66-67, 2004

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F021838検査前にインスリンを投与してはいけないのはなぜですか?
インスリンはブドウ糖(グルコース)を肝臓や筋肉並びに脂肪組織に取り込ませる働きがあります1,2)
よって、血中インスリン値が高いと18F-FDGの筋肉・脂肪への集積が亢進し、腫瘍とのコントラストが低い画像となってしまう可能性があります1,2)

【参考文献】
1) 西村 恒彦 他 : クリニカルPET一望千里 p.82-83, 2004
2) FDGスキャン注 インタビューフォーム(改訂6版), 2010

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F131803腫瘍検査で、血糖値が高い場合の画像への影響は?
飲食により血糖値が上昇すると空腹時と比較して18F-FDGの正常脳や肝臓への集積は低下する一方、心筋、全身骨格筋への取り込みが増加します1)
バックグラウンドが上昇し、かつ腫瘍集積が低下し、偽陰性を生じる可能性があります2)

─使用上の注意(添付文書7.適用上の注意(1)投与前より抜粋)3)
なお、血糖値200mg/dL以上では、本剤の患部への集積の低下により偽陰性所見を呈する可能性が高いため、投与しないことが望ましい。

【参考文献】
1) 財団法人先端医学薬学研究センター18F-FDGの利用技術に関する委員会 : 18F-FDGの利用技術指針 p.53-54, 2003
2) 伊藤 正敏 他 : クリニカルPETの最前線 p.65, 2004
3) FDGスキャン注 添付文書(改訂4版), 2010

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
 F021849胃内視鏡検査に用いる前処置薬による画像への影響は?
グルカゴンを用いた胃内視鏡検査の1時間後にFDG-PET検査を行ったところ、全身筋組織への高度な集積により読影に支障を来した例があり、グルカゴンを投与しての胃内視鏡検査と18F-FDG PETとは別日に施行すべきとの報告があります1)(グルカゴンは肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生を促進し、血糖を上昇させます2)
その他の内視鏡検査の前処置に用いられる薬剤のPET画像への影響として、以下の報告があります。
 ・ジアゼパム:骨格筋の集積低下3,4)
 ・N-ブチルスコポラミン:集積に影響なし1)、ただし18F-FDGの生理的な腸管集積を低下させるという報告あり5)

【参考文献】
1) 小西 章太 他 : 核医学 42:349, 2005
2) 日本麻酔科学会 麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン第3版 p.706-707, 2012
3) Barrington SF 他 : Eur J Nucl Med 30:s117-s127, 2003
4) Goerres GW 他 : AJR Am J Roentgenol 179:1337-1343, 2002
5) Stahl A 他 : Nuklearmedizin 39:241-245, 2000

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[FDGスキャン®注] 更新日:2018/02/19
 F021845G-CSF製剤による影響は?どの程度投与間隔をあけてFDG-PET検査を実施すべきか?持続型G-CSF製剤の場合は?
G-CSF製剤投与後に骨髄にびまん性のFDG集積亢進を認めた例1-3)が報告されています。その機序はG-CSF製剤投与により骨髄での細胞増殖が活性化され、骨髄の糖代謝が亢進するため1,3,4)と考えられています。

FDG-PET検査までの間隔としては、2週間(国際悪性リンパ腫会議コンセンサス)5)、5日3,6)、数週間7)、2〜4週間8)、1ヵ月4,9)などがあります。ただし、1ヵ月以上持続した9,10)、1年後でも集積亢進が継続した例が散見された11)との報告もあるため、注意が必要です。

持続型G-CSF製剤(ペグフィルグラスチム)については、約1週間後のFDG-PET画像で骨髄のSULmeanが上昇していた(n=16)との報告12)があります。

【参考文献】
1) 土田 龍郎 他 : 核医学画像診断17:16-17, 2002
2) Todd M. Blodgett 他 : Clin Nucl Med 29 161-163, 2004
3) Hollinger EF 他 : Clin Nucl Med 23 : 93-98,1998
4) Sally F Barrington 他 : J Clin Oncol 32:3048-3058, 2014
(Consensus of the International Conference on Malignant Lymphomas Imaging Working Group)
5) Dmitri Mayer 他 : Ann Pharmacother 36:1796-1799, 2002
6) Avneesh Chhabra 他 : Clin Nucl Med 31:328-330, 2006
7) Mohei M. Abouzied 他 : J Nucl Med Tech 33:145-155, 2005
8) Kazama T 他 : Eur J Nucl Med Mol Imaging 32:1406-1411, 2005
9) 森 崇 他 : 臨床放射線 58:1136-1142, 2013
10) Sugawara Y 他 : J Clin Oncol 16:173-180, 1998
11) 菅 一能 他 : 臨床放射線 54:874-882, 2009
12) Heather A. Jacene 他 : J Nucl Med 47:950-956, 2006 

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[FDGスキャン®注] 更新日:2018/01/22
 F051852ペースメーカーが植え込まれている場合の画像への影響は?
[PETへの影響]
体内に金属など消滅放射線の通過を妨げる構造物が存在すると、その深部に存在するFDG集積が検出できないことがあります。バックグラウンドの放射線も遮蔽されるため、cold area(欠損像)として描出されます。また、ペースメーカーの周囲に炎症反応が生じてFDGが集積することがあり、腫瘍病巣を検出するという点では偽陽性所見となるので注意が必要です1)

[PET/CTへの影響]
PETとは異なり、PET/CTではCT画像上ペースメーカー部でX線の吸収が大きく、吸収補正の過補正が生じることで、PET画像上に偽陽性が生じます2-4)。偽陽性となる集積は、吸収補正なしの画像を作成すると消失するため確認できます2.3)。技術の改良により、このようなアーチファクトは低減されつつあります4)

【参考文献】
1) 川井 弘光 : FDG-PET検査の正常像とピットフォール p.50-51, 2005
2) 菅原 茂耕 他 : 臨床画像 30:31-41, 2014
3) Bujenovic S 他 : Mol Imaging Biol 5:20-22, 2003
4) Ahmed FZ 他 : J Nucl Cardiol 22:219-220, 2015

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[FDGスキャン®注] 更新日:2017/10/25
 F13181418F-FDGを投与後の読書やテレビ視聴、音楽鑑賞などによる画像への影響は?
読書やテレビ視聴による眼筋への集積が報告されています1,2)

検査部位が脳の場合、読書やテレビ視聴、音楽鑑賞などにより視覚野や聴覚野の集積が増加する3-5)との報告があります。

「FDG PET, PET/CT診療ガイドライン」では、てんかんを対象とした場合の撮像方法として「脳糖代謝は神経活動により変化しやすいため、FDG投与前30分より安静に心掛け、投与は閉眼で行い、投与から検査開始までできるだけベッド上で安静にしておく」、との記載6)があります。

【参考文献】
1) 西村 恒彦 他 : クリニカルPET一望千里 p.83, 2004
2) 伊藤 正敏 他 : 臨床医のためのクリニカルPET p.9-17, 2001
3) 伊藤 正敏 他 : クリニカルPETの最前線 p.182-185, 2004
4) 織田 圭一 他 : 日本放射線技術学会雑誌 65:87-99, 2009
5) 河村 誠治 他 : 放射線医療技術学叢書(26) PETおよびPET/CT検査技術の基礎 p.75-88, 2009
6) 日本核医学会 : FDG PET、PET/CT診療ガイドライン2012 p.6-8, 2012

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[FDGスキャン®注] 更新日:2017/11/10
 F031813検査前に、シュガーレスガムを噛んだ場合の影響は?
18F-FDG投与前に3時間シュガーレスガムを噛んだ患者において、18F-FDG投与直前の血糖値は正常であったが、咬筋、内側翼状筋、舌筋への高い集積が認められ、ガム咀嚼によって引き起こされる筋肉の代謝活性の増加を反映したとの報告があります1)

【参考文献】
1)  Kawabe J他 : Clin Nucl Med 28:220-221, 2003

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F101856透析患者や腎機能が低下した患者に使用できますか?
禁忌や慎重投与の対象ではありません。
ただし、腎不全患者モデルでの検討1)では、健常者と比較して被曝線量が増加する可能性が指摘されています。
※血中からの減衰が物理的減衰のみ、18F-FDGは非可逆的に細胞へ取り込まれると仮定してモデル解析を行っている。

【参考文献】
1) Laffon E 他 : J Nucl Med Technol 36:200-202, 2008

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F121863血液検査や尿検査の値への影響は?
第I相臨床試験1)、第V相臨床試験1)、及び追加第V相臨床試験1-3)において、健常成人男性3例と癌患者284例を対象として、本剤投与前後に、医師による診察、血液学的検査、血液生化学的検査、尿検査を行った結果、副作用と判断された臨床検査値に関する異常は11例15件で発生しました。そのうち、主な臨床検査値の異常は、尿潜血陽性4件(1.4%)、血清カリウム増加3件(1.1%)、尿中ブドウ糖陽性2件(0.7%)でした。なお、いずれの異常値も軽度、かつ重篤でないと判断されており、18F-FDG投与後の血液検査値、尿検査値への影響は少ないと考えられます。
※:第I相臨床試験では、投与前ならびに投与24時間及び1週間後1)。第V相臨床試験、追加第V相臨床試験では、投与前ならびに投与翌日から7日以内1)


【参考文献】
1) 申請資料概要 FDGスキャン注 FDGスキャン-MP注に関する資料
2) Kubota K 他 : Ann Nucl Med 25:787-795, 2011
3) Kubota K 他 : Ann Nucl Med 25:777-786, 2011

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F08185418F-FDGの投与により患者の血糖値は上昇しますか?
FDGスキャン注に含まれるグルコース量はごく微量であり、患者の血糖値に影響することはありません。

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[FDGスキャン®注] 更新日:2015/01/30
F011801SPECT製剤との検査間隔の目安は?
SPECT核種を先に投与する場合、SPECTの撮像後に18F-FDGを投与すれば同日に検査が可能です。
PET核種のエネルギーがSPECT核種よりも高く、また同時計数により収集されるためです。

18F-FDGを先に投与する場合、SPECT核種の投与は18F-FDG投与翌日以降(10半減期(約20時間)後)に行います。ただし、67Ga等撮像が翌日以降になるSPECT製剤については、PET撮像後の投与が可能です1,2)

【参考文献】
1) 加藤 良美 他 : 核医学症例検討会 26:46, 2005
2) Rini JN 他 : Clin Nucl Med 27:572-577, 2002

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