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リアルタイムによる辺縁配置法&EBRT併用療法 ガイドブック

外照射併用シード療法 国立病院機構 東京医療センター 放射線科 萬 篤憲

 併用療法ではシード療法の質の担保が第一。  総線量は目安としてBEDでは180〜230Gy2を目標に設定。  前立腺110Gy処方,D90>=110Gy, V100>95%, UV150≒0mL,RV100≒0mL  1〜2ヶ月後に外照射45Gy/25fr(外照射先行なら40-44Gy/20-22fr)  1ヶ月後の術後評価でD90は90〜130Gy,V100>90%, UV200≒0mL,RV150≒0mL, RV100<0.5mLが目標。  外照射を上手に組み合わせ、線量効果と安全を図る。  晩期毒性はGU,GIのG2+が20%未満、G3は5%未満に抑える。  患者への十分な説明と適切な症状管理によりQOLを維持する。

外照射とシード療法の併用

 順番:どちらを先行しても良いが、シード療法の経験が十分でない場合にはシード療法先行を勧める。シード療法の術後線量評価を十分吟味し、外照射計画による調整の余地がある。  間隔:I -125シード療法施行後、最低1ヶ月をあけて外照射を開始する。
1〜2ヶ月後が実際的である。
 線量:ABSガイドラインに従い、シード療法の処方は110Gy、外照射の処方は45Gy/25frが基本
(各々100〜110Gy,40〜50Gy)

シード療法

 術直前を含む術中計画や術前+術中計画が望ましい。
 線源:各線源強度は小線源単独療法と比較して10〜30%低めの強度を推奨。
 計画上の線量制限  前立腺D90 > 110Gy, V100 > 95%, V150 < 60% (50%以下が望ましい)  UV150=0mL, RV100 < 0.1mLを目標  術後線量評価  前立腺のD90は90〜130Gyを目標  D90が85Gy未満ないし135Gyを大きく超える場合には外照射
線量を調節することを検討

外照射野の設定

 GTV:直腸毒性を考慮すると骨盤領域リンパ節を含めるにはIMRTの高度な線量設定が必要。通常は前立腺と精嚢基部。  三次元照射ではCTVやPTVマージンのみならずセットアップマージンを考慮する際、直腸体積を意識して輪郭を設定する。  線源位置、線量分布、DVHを参考としてCTV-Blockマージンを1.5(〜2)cm、直腸側は0.5〜1cmが実用的。(特に線源が直腸外膜に多数接している場合には両者の線量分布を十分吟味し、直腸側は0.5cm程度が実際的。それによるDVHは後述)

外照射野の設定

外照射の標的体積

 外照射計画:3次元照射ないしIMRTを推奨する。
 標的体積 Target Volume  GTV=前立腺  CTV=前立腺と近位精嚢(前立腺底部から1cm)とし、リンパ節領域を含めない。(cN0)  PTV=CTV+0.5〜1cm  CTVの設定:線源が直腸壁に接する場合には慎重に直腸側輪郭を決定する。

PTVの設定

 セットアップや内的臓器の動きを考慮し、3次元照射ではPTVマージンは原則として0.5〜1cmの設定とする。  通常はCTVに対して頭尾方向、左右、腹側に各1cm、直腸側は0.5cmとするが、特に直腸側については安全性を十分考慮し、小線源治療による術後線量評価においてRV100>0.5mLの場合や直腸壁に多数の線源が密接する場合には安全性 を確保するために直腸側のPTVマージンは0〜0.5cmを推奨する。  最終的に一般的な3次元照射においてはCTV-Blockマージンは1.5cm、直腸側のみ1cm以下となる。
 IMRT:施設、固定、方法によりPTVマージンは異なる。IMRTではCTVに対してPTVマージン0.8〜1cm、直腸側 0.3〜0.6cmを参考として各施設で決定する。

外照射の線量処方

 3次元照射:直交軸中心のIsocenterに45Gyを処方。PTVに最大で処方線量の107%まで。通常、PTVの平均線量が100%程度となる。  IMRT:Isocenterを参考に設定するため、通常PTVの平均線量が100%程度となる。PTVのD2(最大線量)は107%まで。
PTVと直腸壁の重なりの線量設定を行い、「PTV−直腸壁」には処方線量の95〜107%が照射される。通常、PTVのD50が100%程度となる。

3D照射におけるCTV, PTV Contouring

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線量の設定

 総線量45Gy,1.8Gy/回, 週5回法とする。
 3次元照射では Isocenterに45Gy/25回の線量処方。PTVに対して処方線量の95〜107%(42.75Gy〜48.15Gy)が照射されるように計画する。  IMRTではPTV(から直腸壁を抜いた体積)の最低線量にあたるD98に対して42.75Gy(45Gyの95%)以上、PTVの最高線量にあたるD2に対して48.15Gy(45Gyの107%)以下に照射されるように計画する。  但し、小線源による術後線量評価の結果が推奨範囲を大きく逸脱する場合には安全性を確保するために、後述するように外照射の線量、照射範囲を調節することを推奨する。

外照射線量の調節

 小線源療法による直腸線量が計画時より高い場合( 例えばRV100>0.5mL)にはPTVと直腸の重なり部分の線量として処方線量の80〜95%(36〜42.75Gy)を推奨。  術後線量評価において例えばD90が85Gy未満の場合、外照射の処方線量は50〜50.4Gyを推奨。
 D90が135Gyを大きく超えた場合、外照射の処方線量は39.6Gy以下を推奨。

リスク臓器線量規定

 直腸はPTVの上下1cmの範囲で充実臓器として外縁輪郭をとる。
 膀胱は全体の外縁輪郭をとる。いずれも壁の抽出は規定しない。
 直腸のV40, V35, V30 (各40Gy, 35Gy, 30Gyが照射される直腸体積%)を算出する。  直腸線量:最大値が処方線量の105%(47.5Gy)を超えないようにする。V40 < 20%, V35 < 30%, V30 < 40%  可能な限りV40 < 15%, V35 < 25%, V30 < 35%が望ましい。  膀胱線量:最大値が処方線量の110%(49.5Gy)を超えないようにする。  前立腺総線量:S t o c kらの提唱する前立腺のBiologically Effective Dose (α/β=2)を用い、小線源による術後線量評価におけるD90と外照射処方線量の合計を参考とし、180〜230Gy2が望ましい。

東京医療センターにおける併用療法

G2以上の直腸出血とRV100の関係  中高リスクの457名  2名のG3を含む10%の患者にG2+の直腸炎、直腸出血を生じた  RV100の増加に伴いG2+の頻度が増加

直腸出血と照射体積の関係

 シード療法によるRV100が増えるに従いG2+直腸出血が増加する。  外照射によるRV30〜40Gyが増えるに従いG2+直腸出血が増加する。  両者を組み合わせてみると、出血を5 % に抑えるためにはRV100 < 0.5mL でかつRV35Gy < 25%を満たす必要がある。

IMRTにおけるCTV, PTV Contouring

 

IMRTの一例

IMRT Dose Constraint & DVH

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日本における先行施設の経験と失敗に学ぶ 主要先行多施設のデータ集積 東京医療センターのデータ解析

 国内報告における有害事象の頻度  尿道の有害事象
 線量増加はどの程度を目指すのか?  直腸の有害事象

日本主要先行8施設からの晩期有害事象報告

米国の主要施設から報告されている有害事象と比較して同等どの施設もシード単独と比較して直腸出血が多い
たとえ1例でも直腸瘻などG4が生じると、心身の負担は格段に重い
これまでに国内で報告されたシード関連の3例中2例の直腸瘻は直腸生検・痔の治療後に増悪
多施設前向研究では有害事象は単施設報告と比べ一般に増える

線量増加を目指す以上、有害事象は減らない。
G2+を極力減らし、G4を出さないアプローチが最重要課題である。

D90 on day 30@ NTMC n=1200

併用療法はシード単独と比較して明らかに安定してBED180〜230Gy2(中央値204Gy2)を照射することが可能である。
BED240Gy2以上については当施設ではほとんど経験していない。その安全性について日本では確認されていないと考えられる。

BEDの参考数値

BT prescribed 110Gy followed by EBRT 45Gy/25fr

線量効果関係の実証は簡単ではなく、特に閾値の設定は困難
外照射単独ではBED170Gy2を超えることはかなり難しい
併用療法ではBED180〜230Gy2を目指すことは比較的容易
Stoneらの報告はBED180Gy2以上で再発率も生検陰性率も頭打ちだがGS8〜10の高リスクではBED220Gy2以上で再発率が低下すると報告
すでにある程度の安全性が示されている範囲を目標とすべき

計算上の理論を用いるのなら目標としてBEDで180〜230Gy2は妥当

Average BED & Modality @NTMC

小線源療法 計画上の線量設定(110Gy処方)

術前計画法
 PTV-PM=Prostate+3mm
  margin (rectal 0 mm)
 V100 > 95%
 D90≧110Gy
 V150 < 50%
術中計画法
 PTV-P=Prostate

 V100 > 95%
 D90 > 110Gy
 V150 < 50-60%

小線源療法 計画上の線量設定(110Gy処方)

尿道
 UV150≒0〜0.1mL
 UV200=0 mL
 UD30 < 130Gy
 UD10 < 160Gy
直腸
 RV100≒0〜0.1mL
 RV150=0 mL
 RD2cc < 80Gy
 RD0.1cc < 110Gy

GU,GI Late toxicity score CTC-AE ver.4

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シードおよび併用療法は外照射に比べAcute G3(主に急性尿閉)が多い。
Acute G2+を左右するのは線量よりも前立腺肥大と高いIPSS。
併用療法は単独療法に比べLate G1+は増加するが、Late G3は増えない。
晩期毒性は治療後数年にわたり生じ、多くは1〜3年後に一過性の尿道症状を生じる、いわゆるフレア現象。
多くは症状の説明で十分だが、G2が長引くときには薬物療法も検討。

尿道線量を計画通りに抑えれば重篤な毒性はまれであるが、G1〜2の晩期毒性はしばしば生じる。 患者への丁寧な説明が重要

直腸晩期毒性はシードに比べ外照射や併用療法で明らかに多い。
併用療法ではシード治療の術後RV100は0.5mL未満、RV150は0を目指す。
3次元照射、特にIMRTではシードによるDVHや線量分布を参考にして外照射の直腸線量を規定することが可能。
外照射においてRV30〜40Gyを低く抑えることも有用。



シード先行の場合、直腸の体積線量因子をシードおよび外照射の両者で調節し、G2+毒性を減らすことが可能

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