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市民公開講座「前立腺がんの早期診断と治療」前立腺がんを早期発見

パネルディスカッション

年に1度の検査で安心(執印)

──江本さん、50歳以上の年齢の男性の代表として、高知大学のお二人にお聞きになりたいことは。
江本 PSA以外に検査の方法はあるんですか。
執印 現在はPSA検査が我々も一番判断しやすく、分かりやすい検査です。直腸診や超音波をやらなくてもPSAだけでいいというのが今の流れです。
江本 この検査はどの程度の頻度でやればいいんでしょうか。例えば一年に1回とか、半年に1回とか。
執印 50歳を過ぎた方は毎年測った方が安全かと思います。

検診に合わせて気軽に(江本)

江本 以前検査したときは、普通の検診のついでに血を採ってもらって、じゃあ前立腺も見ておきましょうかって、ちょっと多めに血を採られましたが、その形でいいんですよね。
執印 それでけっこうです。
──1年で値が一気に上がるという場合もありますか。
執印 値の低かった人が突然上がったという場合には、がんが疑わしいと判断します。

受診率 地域で格差(山崎)

──高知県の検査状況はいかがですか。
山崎 企業検診もあるので一概には言えませんが、昨年、高知市の基本検診でPSAのオプション検査をされた方は300人ぐらい。
この前、南国市で集団検診をしたんですけど、そこに集まった方が200人ぐらいで、人口の差を考えると、高知市の方はあまり興味がないという印象はあります。
江本 全国で高いところはあるんですか。
山崎 群馬県は検診に力を入れています。北陸地方の方もけっこう受診率が高いと聞いています。
江本 前立腺の肥大化したところから悪性のがんに進行していくことはありますか。
山崎 肥大症と前立腺がんは別の病気ですので、移行するということはないですね。
江本 がんの疑いがある場合の組織検査というのは、
どんな風にやりますか。
年に1度の検査で安心(執印)
山崎 肛門から超音波の機械を入れて、画像を見ながら注射の針のようなもので、組織を取る検査になります。
江本 がんの場合、どんな治療方法がありますか。
山崎 がんがどのくらい広がっているのかが大事になってきます。前立腺だけなら、若い方は手術や放射線治療を選択される方が多いようです。
江本 治療した後の性機能障害っていうのも聞きますが。
山崎 手術で神経を完全に切ってしまうと、性機能障害が100%起こってしまいます。放射線治療にしても、外部照射治療では徐々に悪くなっていきます。密封小線源療法では7割ぐらいの方が機能は温存されると言われています。
江本 それでは、密封小線源療法にはどんな特徴があるんですか。
山崎 日本では3日ほど入院しますが、アメリカでは、朝来て治療して夜帰る場合もあります。お腹の中から放射線を出しているので、1、2カ月は赤ちゃんや妊婦さんなどと接触するのを避ける必要があります。
それも1メートル離れていればいいので、同じ部屋にいるのは別に問題はないんです。
──がんの治療をするためには経済力も必要だなんてことを言いますよね。
山崎 治療中の入院も含めた場合、密封小線源療法では80〜100万円ぐらいかかります。手術の場合は150万円ぐらい。放射線治療の外部照射でも130万円と高いんです。薬で治療しても1年間通じてやると、100万円近くはかかります。
執印 ただ自己負担は保険の負担率によって違いますが、たとえば70歳未満の方で医療費が100万円かかった場合、3割負担なら30万円を負担していただくことになります。平成19年4月からは高額療養費の制度が変わって、自己負担限度額までを支払えば良くなるので、一時的な支払いも少しは楽になると思います。
江本 50歳以上の高齢の方の病気だと言われていますが、若い人にはないんですか。
執印 40歳代の方って非常に少ないですね。交通事故などで解剖検査をやりますと、我々ががんと呼ばないようなタイプの、本当に小さいがんは30歳台から、2、3割の方にあると言われています。
──最先端の医療について知らない事ってたくさんあるんだなって思いましたが、江本さんはどんな感想がありますか。
江本 最近忙しかったものですから検診に行くひまがなかったんですが、早めにPSA検査を受けに行きます。
山崎 リスクを少なくするためには、早期発見ということがやはり大事になってくると思いますので、皆さんも機会があれば一年に1回ぐらいはPSAの検査を受けてください。 もし、がんがあったとしても一番負担の少ない治療を受けられるように、気をつけていただけたらと思います。
執印 PSA検査や前立腺がんの治療について、これからもなるべくこういう機会をつくってご説明できるようにしようと思っています。
本日はどうもありがとうございました。
PSA検査を受けるには
前立腺がんを受けるためのPSA検査は、簡単な血液検査です。泌尿器科に限らず、内科などでも検査してもらうことができます。検診や人間ドッグの際に、PSA検査を希望すれば、追加料金を払って受けることもできます。
県内では市町村によって、検診の実施状況は異なっています。PSA検査を単独で、時期を決めて実施している自治体もあれば、基本検診などに合わせて希望者が受ける仕組みのところもあります。対象年齢は50歳以上が多いですが、自己負担額、実施時期などはまちまちです。
実施時期や料金など、詳しいことは市町村や医療機関でご確認ください。
井津 葉子(RKC高知放送アナウンサー) コーディネーター:
井津 葉子(RKC高知放送アナウンサー)
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