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ブルークローバー・キャンペーン サテライトシンポジウム

前立腺がんの早期発見・早期治療 ―からだにやさしい治療を考える―

パネルディスカッション

中リスクの人には高線量率照射

土器屋 小線源療法には、門間先生からお話がありました低線量率照射と、少し高い線源を一時的に挿入する高線量率照射の治療があります。小線源療法の対象の患者さんのなかでは中リスクの方が非常に多く、この方たちへは高線量率照射が有効ですので、患者さんの状態によって使い分けています。埼玉医科大学病院では現在、高線量率照射を行っておりますが、2007年4月から低線量率照射も開始いたします。 土器屋 卓志先生 埼玉県医科大学病院 放射線腫瘍科
門間 高線量率照射では、前立腺にアプリケーターという針を会陰部から穿刺して留置し、その中を比較的強いイリジウムという線源をアプリケーターの中を往復させることで照射します。施設により方法は異なりますが、通常は朝と夕方一回ずつの照射を数日間行います。

痛くない小線源療法

田辺 藤野さんは前立腺がんを経験されていらっしゃいますので、患者さんの立場からご自分の病気を紹介してください。
藤野 藤野 邦夫氏 翻訳家私はPSAが5.5〜6.5と高く、生検でがん細胞が見つかったため、3年前に日本で9例目の低線量率照射法を行いました。何といっても小線源療法は痛くないことが患者にとってありがたいことです。小線源療法をした後、気分が大変に良く、その夜に本を2冊も読んでしまったくらいです。退院後に、朝起きると尿に血が混ざり、それから一週間程してやたらと便意をもよおしましたが、いずれも約一週間で治りましたので、生活の質としては非常に良好だったといえます。手術の場合は術後長期的な尿失禁や免疫力低下という問題もあり、治療費も高いので、やさしい治療という意味では、まず小線源療法が良いと思います。

PSA高値=がん?

田辺 PSAには正常値が設定されているのでしょうか?
影山 PSA値は「4」までが正常値という分かりやすい数字になっています。ただ、4を超えたら必ずがんがある、あるいは4を超えなければがんは無いという線は引けません。当センターのデータでは4以上、10未満の方の約3割弱でがんが見つかっていますが、実は4以下でも2割近くの方にがんが発見されるとの報告もあります。ただし10を超えるとかなり発見率が増え、がんの性質も悪性になってきます。
田辺 PSAが高くても必ずしもがんではないというのはなぜでしょうか?
門間 PSAは前立腺がん特異抗原ではなく前立腺特異抗原ですので、いわゆる前立腺が悪い人で値が上がります。例えば前立腺にばい菌が入って炎症を起こすと10以上に上がりますし、肥大症でもかなり上がります。したがって、PSAが高いことイコールがんではなく、がんかどうか確かめるために生検で細胞を診ます。

手術?小線源?自らも調べて医師とよく相談を

田辺 参加者の方から、前立腺がんが見つかりお医者さんから手術を勧められたが本当に手術してよいのか、という質問がありますが。
影山 手術と小線源療法の両方が対象になる条件でしたら、やはり患者さんにとっても私たちにとっても負担が少ない小線源療法を勧めます。ただし、皆さんが同じように小線源で治療できるような良い条件ではありませんし、手術の方が良い場合もありますので、手術も多くの患者さんに施行されています。
門間 小線源療法は負担が少ない治療法ですが、小線源療法では前立腺が残るため、術後PSA値が上がることがあって不安に感じられることもありますし、排尿の症状が残ることもあります。患者さんが生活の質のなかでどこにポイントをおくかによって、選択肢が変わってくると思いますので、医師とよく相談されて納得して決めていただきたいと思います。
藤野 がんの情報は半年位で物凄く変化する場合がよくありますので、国立がんセンターのホームページを検索するなど、がんに罹ったらご自分でも情報を集めて医師に相談しましょう。積極的に治療に参加すると治りが早いといわれています。
土器屋 最近はご自分で調べていらっしゃる方が非常に多くなりました。私たちとしても事前に調べていただくとお話しやすいので大変助かります。

高齢者にもやさしい治療法は?

田辺 80歳の方で前立腺がんがみつかり、痛みは無く現役の職人で働いていらっしゃるそうです。高齢なのでからだにやさしい治療をしたいという質問がきています。
門間 5年余命を見込めない方は小線源療法の適応ではありませんが、十分なお話しを伺ったうえで、例外的な話になりますが、仮にその方が90歳くらいまでお元気でいらっしゃることが期待されるなら小線源療法を選べると思います。
土器屋 通常、80歳を超えたら放射線外照射が選ばれます。放射線外照射は体力を消耗すると一般には考えられてしまいますが、照射する場所と量によって全く負担が変わってきます。前立腺の場合はピンポイントでかけますので、ほとんど身体に負担がなく、80、90歳で治療されている方が大勢いらっしゃいます。

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