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メタストロン注〔塩化ストロンチウム(89Sr)〕による骨転移の疼痛緩和治療

4. ストロンチウム-89による治療

4-1. 本薬投与前の患者への説明及び指導

適正使用マニュアル 患者さん用パンフレット※1に基づいて、本剤による治療について十分に説明してください。また、患者が本薬投与前に遵守すべき注意事項及び本薬投与後の患者・家族(介護者)が遵守すべき臨床上の注意事項及び安全管理上の注意事項に関して、上記パンフレット※1を用いて説明・ご指導をお願いします。

※1:別途作成された小冊子「メタストロン®注(ストロンチウム-89)の治療を受けられる患者さんとご家族の方へ」をご利用ください。

4-2. 前処置(本薬投与前の患者への指導)

本剤投与前の絶食は不要です。カルシウム剤が長期投与されている場合には、高カルシウム血症ではないことを確認してください。

注射当日を含み投与後数日間は、十分に水分を摂取し、排尿により腎・尿路系からの本剤の排泄を促すようご指導ください。

4-3. 投与量と投与方法

本剤投与前に、「ストロンチウム-89適応候補患者チェックリスト」を参考に本剤投与患者の適格性に関して再確認を行ってください。

本剤の投与量が2.0MBq/kgとなるように(一人当たり最大141MBq)、患者の体重及び放射能の減衰を基に放射線測定器にて放射能を実測し本薬の投与液量を決定してください(適正使用マニュアル 付録7.放射能の経時的変化 参照)※2
投与量に関しては、投与日、体重別投与容量をご参照ください。
(なお、本薬から放出されるβ線由来の制動放射線をγ線核種用NaI(Tl)シンチレーション計数装置あるいは井戸形電離箱で実測し、その値から計算によりβ線の放射能濃度を測定することは、十分に有効です。)

術者の手指への被ばく及び血管外漏出を防ぐために翼状針等で静脈を確保した後、ゆっくりと(1〜2分かけて)静脈内に投与し、三方活栓を用いて生理食塩水でシリンジ及び静注ラインをフラッシュしてください。

万一、血管外漏出に気づいたら、ただちに注射を中断し、漏洩部位にマーキングを行うとともに、加温及びマッサージにより拡散を促してください。

なお、調製時や投与時の放射線安全管理上の注意事項については、医療従事者への注意事項(本剤投与時の注意)をご参照ください。
また、本剤の分注方法に関しては、分注と投与方法をご参照ください。

※2:適正使用マニュアルは日本アイソトープ協会ホームページに掲載されています。
有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療の適正使用マニュアル(第五版)

4-4. 投与後の患者管理

本剤の投与のための入院は不要であり、投与当日の帰宅が可能です。

定期的に血液検査を行って骨髄抑制に関しモニターをお願いします(モニタリングは本剤投与後、原則として隔週毎に定期的に行ってください。必要に応じより詳細な検査を推奨します。)骨髄抑制などの副作用がみられた場合には、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置をお願いします。

本剤による効果の発現は通常投与後1〜2週間、症例によっては4週間ほど要するのでその除痛効果の評価は投与後4週が経過してから行ってください。

4-5. 放射線安全管理上の注意

投与後、特に尿失禁のある患者においては、尿による放射能汚染を最小限にするように十分にご注意、ご指導をお願いします。

オムツ・導尿カテーテル等を使用している場合は、以下の注意をお願いします。

特に尿失禁のある患者でオムツを使用する場合にはビニール製のシーツを使用させることも推奨される。

導尿カテーテルを使用する場合、尿パック中の尿はトイレに捨て、水を2回流し、処理後はよく手を洗うこと。

院内における、本投与後初期の患者オムツ及び使用済みの導尿カテーテル・尿パックの放射線管理と保管期間に関しては、放射性物質としての「下限数量」(ストロンチウム-89の場合1MBq)を目安とすることができる※3。すなわち、残存放射能が1MBq未満であると推定できる廃棄物については、感染性廃棄物として扱っても放射線防護上は差し支えないと考えられる。(適正使用マニュアル 臨床編 5-4 投与後の患者管理 参照

※3:ただし、本邦では固体状の医療用放射性汚染物に対して、規制対象であった放射性物質が下限数量未満に減衰すれば放射性物質として扱う必要がないとする考え方は導入されていないので、下限数量を目安とすることについては、関係者の理解を得ることが重要である。

患者の汚物を処理する際は、以下の注意をお願いします。

患者の尿や糞便、または血液に触れる可能性がある場合、またこれらで汚染された衣類を取り扱う場合には、手袋を着用すること。

患者の排泄物等に触れた場合や作業後は、必ず石鹸を用いて手をよく洗うこと。


なお、緊急の医学的処置が必要な場合には、上記の放射線防護に関する遵守事項よりも、適切な医学的処置が優先されます。
以上の本剤による治療に係わる放射線安全管理上の注意については、医療従事者への安全管理上の注意事項一覧及び医療従事者への注意事項(本薬投与時の注意)をご参照ください。

5. その他

本剤による抗腫瘍効果を示す証拠は明確ではありません。
(本剤による治療は、骨転移による骨性疼痛の緩和が目的です)

除痛効果については患者ご自身による評価が重要ですので、「適正使用マニュアル 付録9.疼痛評価スケール」※4を骨転移痛の除痛効果の評価にお役立てください。

※4:適正使用マニュアルは日本アイソトープ協会ホームページに掲載されています。
有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療の適正使用マニュアル(第五版)