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メタストロン注(ストロンチウム-89)の治療を受けられる患者さんとご家族の方へ 骨の痛みの治療Q&A

他の痛みの治療法について

Q7骨の痛みに対する治療には、どのようなものがありますか?
A.骨の痛みに対する治療方法として、痛み止め(鎮痛薬)、ホルモン製剤(前立腺癌や乳癌などの場合)、または化学療法剤などのお薬を用いる全身薬物療法と、骨転移の部位に外部から放射線をあてる外部放射線治療(外部照射)、および手術を行う外科療法などがあります。
これらの治療方法には、それぞれの特徴や長所と短所があり、患者さんの状態に応じて使い分けられます。外部照射や外科療法は体の特定の部位に対する治療です。一方、お薬による薬物療法は全身の病巣を対象とする治療です。このお薬による治療は放射線治療の一種ですが、お薬による薬物療法でもありますので、全身にひろがった骨転移による痛みの緩和を目的とした治療方法です。
Q8お薬を用いた他の治療法には、どのようなものがありますか?
A.骨の痛みに対するお薬を用いた治療には、以下のような、痛み止め(鎮痛薬)、ホルモン製剤、および化学療法剤などがあります。

1.痛み止め(鎮痛薬)による治療

痛み止めとして用いられるお薬には、主に非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)とオピオイド鎮痛薬(モルヒネなど)があり、がんの他の痛みと同様に痛みの強さにあわせて段階的に使用されます。

●非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)

骨転移部位では炎症が起こり、痛みをおこす物質がつくられるので、その作用をおさえるために、痛み止めの第1段階として使われるのが非ステロイド性消炎鎮痛薬です。代表的な副作用として胃腸障害があります。

●オピオイド鎮痛薬(モルヒネなど)

非ステロイド性消炎鎮痛薬で十分に痛みがおさえられないときは、次の段階としてより強い鎮痛効果のあるオピオイド鎮痛薬(モルヒネなど)が使われます。オピオイド鎮痛薬は、脊髄や脳の中にあるオピオイド受容体とよばれる痛みを伝える神経組織に作用し痛みを止めます。代表的な副作用と して、吐き気、ねむけ、便秘などがあります。
これらの痛み止めの副作用には、その副作用を防ぐためのお薬がありますので、確実に予防することが大切です。

2.ホルモン製剤による治療

ある種のがんでは、がんが大きくなるためにホルモンを必要とします。例えば、前立腺癌や乳癌はそれぞれ男性ホルモンおよび女性ホルモンの働きで大きくなります。そこで、これらのホルモンと反対の作用をするホルモン製剤を用いて、全身に広がっている可能性のあるがんが大きくならないようにする治療をホルモン療法または内分泌療法といいます。
ホルモン製剤は、がんの発育を阻止してコントロールすることを特徴とします。

3.化学療法剤(抗がん剤)による治療

化学物質(化学療法剤、抗がん剤)を用いてがん細胞の分裂をおさえ、がん細胞を破壊する治療法が化学療法です。
化学療法剤の副作用はその種類によりさまざまですが、主なものとして骨髄抑制(血液中の白血球、赤血球、血小板の減少)や吐き気や嘔吐があります。
抗がん剤の多くは増殖がさかんな細胞に作用するため、骨髄細胞などの正常細胞もダメージを受けやすくなります。骨髄では白血球、赤血球、血小板などの血液細胞が作られるため、骨髄がダメージを受けると白血球、赤血球、血小板の減少がおこります。
ストロンチウム-89の副作用にも骨髄抑制がありますので、化学療法との間に十分な間隔をあけるなど、問題となるような骨髄抑制がおこらないように十分な注意が必要です。
Q9このお薬と放射線治療には、 どのようなちがいがありますか?
A.ストロンチウム-89による治療も、放射線を利用しますので放射線治療の一種です。
通常の放射線治療では、体の外から骨転移部位に放射線を照射するので外部照射とよばれ、骨転移の痛みに対する最も有力な治療の一つです。それに対して、このお薬は骨の転移病巣にたくさん集積して長くとどまる性質があり、全身にひろがった骨転移部位に内部から放射線があたることによって痛みがやわらぐと考えられています。
外部照射の目的は、骨の痛みの緩和以外に病的骨折の予防、骨折治癒の促進、脊髄圧迫の治療と予防など、目的とする病巣の部分的な治療に有用です。しかし、骨転移およびその痛みが全身へ広がった場合に、次から次へと照射することによる放射線の副作用(血液細胞を作る骨髄機能の抑制や、照射部位周辺の正常臓器への放射線の影響)が考えられます。
このお薬による治療は、外部照射のような除痛以外の効果を求めたものではなく、骨の痛みの緩和を目的としており、多数の骨転移のある場合に有用であると考えられています。