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メタストロン注(ストロンチウム-89)とは

メタストロン®注とはストロンチウム-89を主成分とした放射性医薬品です。

開発の経緯・特性

開発の経緯

ストロンチウムは、カルシウムと同属のアルカリ土類金属です。体内においては、カルシウムと同様の挙動を示し、造骨活性部位に集積しやすい性質を有しています。また、ストロンチウムには、放射性同位元素(RI)があり、その一つであるストロンチウム-89は、β線(最大エネルギー:1.49MeV)を放出する物理的半減期50.5日の核種です。

こうしたストロンチウム-89の体内動態及び核物理学的特性は、有痛性骨転移の疼痛緩和に対して、静注による放射性同位元素(RI)内用療法剤として有用であると考えられ、実際に、いくつかの研究報告がなされていました。

放射性医薬品としては、アマシャムインターナショナル(現 GEヘルスケア)社により、米国及び欧州において、有痛性骨転移の疼痛緩和を目的とした開発が開始されました。その後、英国及びカナダで、プラセボ(非放射性・塩化ストロンチウム)を対照薬とした第V相二重盲検クロスオーバー試験が実施され、プラセボに比して、前立腺癌の有痛性骨転移における疼痛緩和に有効であることが示されました。これらの試験成績を基に、各国において新薬申請を行い、2006年6月現在、メタストロン®注(ストロンチウム-89)は世界41ヵ国で承認されています。日本においては、2007年7月、「固形癌患者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和」を目的とした治療用の放射性医薬品として、外国特例承認を取得しました。

特性

● 骨転移疼痛緩和剤としては、国内初めての放射性同位元素(RI)内用療法剤であり、緩徐に静注することで使用します。

● ストロンチウム-89はβ線(最大エネルギー:1.49MeV)を放出するRIで、物理的半減期は50.5日です。

● 作用機序は、ストロンチウム-89が、カルシウム同族体であるために造骨活性の高い部位に集積しやすいという体内動態と核物理学的特性によるものです。

● 単回の静注によって効果を発現し、鎮痛薬使用量の変化及び疼痛重症度の変化を指標とした反応者は、69例中32例でした。

● 追加臨床試験における副作用の発現率は、51.1%(46/90例)でした。主な副作用として、血小板減少症 14.4%(13/90例)、白血球減少症 13.3%(12/90例)、貧血 8.9%(8/90例)、ほてり 8.9%(8/90例)、及び骨痛(一時的な疼痛増強)7.8%(7/90例)があらわれました(承認時)。
また、全例調査の中間集計400例における副作用の発現率は、45.3%(181/400例)でした。主な副作用として、貧血 21.8%(87/400例)、血小板減少 20.3%(81/400例)、白血球減少 15.0%(60/400例)、骨痛(一時的な疼痛増強)11.3%(45/400例)及びほてり 5.0%(20/400例)があらわれました(全例調査中間集計結果)。
このように、本剤の副作用として骨髄抑制(貧血、血小板数減少及び白血球数減少など)に注意する必要があります。

  参照:臨床成績の安全性 

● 重大な副作用として、血小板減少、白血球減少及び貧血等の骨髄抑制があらわれることがありますので、投与後も定期的に血液検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行ってください。

● 本剤の使用にあたっては、医療法等の放射線防護に関する法令、関連する告示及び通知を遵守する必要性から、施設要件があります。