学会との連携

がん診療の均てん化

全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国で397箇所(2013年4月現在)の病院が「がん診療連携拠点病院」に指定されています。FDG-PET検査は、悪性腫瘍(早期胃がんを除く)の病期診断または転移・再発診断で保険適用されていること、さらには多くのがん診療ガイドラインで使用が推奨されていることから、がん診療に欠かすことができない検査法となっています。当社は、FDGスキャン注を国内に広くデリバリーすることで、がん診療の均てん化に貢献していきます。

  • 均てん化:全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術などの格差の是正を図ること。

造影FDG-PET/CT検査の標準化

日本核医学会「造影PET/CTのエビデンス確立と標準化プロトコールの作成」ワーキンググループ(野上宗伸先生、中本裕士先生、立石宇貴秀先生、鈴木一史先生、坂本攝先生、北島一宏先生)は、新規に造影FDG-PET/CT検査を考慮している施設の医師・技師・看護師の方々に役立つ小冊子の制作を企画されていました。
当社は、当該ワーキンググループと共同で小冊子を編集・制作して、希望される先生方に配布しています。

  • 造影FDG-PET/CT検査:PET装置とCT装置を同軸に配置し、寝台を共有することで位置ずれの少ないPET-CT画像を得られる検査のこと。

ワーキンググループと共同で制作した小冊子

デリバリーPETの適正使用と質の向上

日本核医学会PET核医学分科会デリバリーPET委員会(委員長:西村恒彦先生)は、デリバリーPET施設に関わる諸問題を整理・解決する目的で設置されており、当社は設置当初からオブザーバーとして活動を支援しています。2008年4月から2012年3月までに、施設代表委員の登録施設数が16施設から77施設に増加し、①アンケート調査による現状把握(初回全般調査:回答93施設、第2回遅延像撮像調査:回答125施設)、②デリバリーPETハンドブックの制作と配布(初版13,000部、改訂版8,000部)、③低用量撮像時の画質評価(宮崎大学のPET画像の視覚・定量評価)、④デリバリーPET連絡協議会の開催などを行ってきました。現在は活動を休止していますが、アミノ酸イメージング剤(開発コードNMK36)など新薬が承認された場合またはFDG-PETによる認知症診断が保険適用として認められた場合には、必要に応じて活動を再開する予定です。

デリバリーPETハンドブック

根拠に基づいた医療(EBM: Evidence-Based Medicine)をめざして

当社では、EBM確立のために多施設共同研究の支援活動を行っています。
核医学検査分野においては患者さんの治療法選択に寄与する研究支援を行い、小線源療法においては前立腺がんの治療効果・予後に関する研究活動の支援を行っています。
このような各種共同研究の支援活動により、当社がめざす、「医療分野での事業活動を通じて、よりよい社会の実現のために寄与する」ことを実現していく所存です。